【育休から1年後】幸せだと感じる今を全力で楽しむ【上木寿人|鹿児島市役所|第8話】

公務員図鑑

最前線で働く公務員が、日々どんな思いで働いているのかを深堀る『公務員図鑑』

今回のゲストは、鹿児島市役所で働き、10ヶ月間の育児休業を取得していた上木寿人さんです。

この記事は7分で読めます^^

第8話では、育休を経て上木さんが逆単身赴任生活を送っている現状について、お話いただきました。

<聞き手=森満 誠也(KagoshimaBase編集者)>

楽しく生きようとする時にまず必要なもの

森満
森満

以前、育休を取って人生が変わったっておっしゃってましたよね?

上木さん
上木さん

変わったね。

間違いなく、僕の人生が充実し始めたよ。

森満
森満

僕も一緒なんですけど、みんながみんな育休取れるわけでもないじゃないですか。

公務員とか会社員として働きながら、育休を取る以外にどうすれば楽しく生きることを大切に考えられるようになるんですかね?

上木さん
上木さん

やっぱり、時間とかゆとりが必要だと思うなぁ。

人って余白がないと自分のことに向き合う余裕が生まれないからね。

森満
森満

なるほど!

上木さん
上木さん

毎日仕事に追われて『仕事が自分の全て!』ってなると、人生どう生きるかみたいな部分を考えるのは後回しになっちゃうよね。

森満
森満

毎日夜遅くまで残業して、仕事終わらないから土日も出てくるみたいな人、周りにも結構多いですもんね。。

上木さん
上木さん

それってさ、自分をどんどん不幸にしてるよね。

自分に厳しく、他人にも厳しくみたいな。

仕事は自分を犠牲にして最優先でやるものだっていうのは、なんか騙されてる気がするなぁ。

森満
森満

上木さんぐらいの年齢の人がそうやって言ってくれると、救われる公務員がたくさんいると思います。

僕も救われてますし。

家族が最優先だっていう生き方を肯定できてますもん。

上木さん
上木さん

だって自分の人生だからさ、楽しく生きるべきだし、楽しく生きていくもんじゃん。

自分の大切にしてる価値観を組織に寄せない

森満
森満

公務員として働く上で最近めちゃくちゃ感じるんですけど、若い職員でも働き方に悩んでる人ってたくさんいるじゃないですか?

そういう若い子達に何か伝えたいことってあります?

上木さん
上木さん

自分を組織に寄せていかないでほしいってことかなぁ。

森満
森満

最初は目をキラキラさせてた新卒の子たちが、2-3年すると目死んでたりしますもんね。。

【参照:O-DAN】疲れ切って難しい顔した若い人、たくさんいません?
上木さん
上木さん

そうそう。

最初はさ、仕事がうまくいかないことを自分のせいにしちゃうじゃない?

森満
森満

先輩「前に教えたじゃん。」

若手「すみません。。」

みたいな?

上木さん
上木さん

そうそう。

なんか違和感あったり、自分の能力が活かせないと感じてても、大きい企業に就職してそこで勤め上げることを是として育ってきてるからしょうがないと思うのよ。

そういう教育を受けてきてるから。

森満
森満

そうなんですよね。。

上木さん
上木さん

でも、そこで組織の大きな波に飲み込まれるんじゃなくて、ここじゃないかもと思ったら飛び出していいと思う。

自分にとっては自分の感覚が一番正しいんだから。

判断基準は幸せにしてるorしてない

森満
森満

自分の感覚が正しいっていう部分で思い出したんですけど、役所の当たり前は世間の当たり前じゃないことばかりだなと思うんですよ。

「その資料ってそんなに作り込む必要あります?」みたいな場面、多すぎません?

上木さん
上木さん

多い!

無駄よ。

資料をきっちり完璧に作れたところで、誰も幸せにしてないじゃん。

森満
森満

たしかに。

上木さん
上木さん

というか、森満くんもそうだとおもうけど、きっちりやろうとしてもできないのよね。笑

僕らみたいな人も、怒らずに許してほしいよね。

森満
森満

そうなんですよ!

数字を完璧に入力するとか、誤字脱字をなくすみたいな仕事が思いっきり不得意なんですよね。

上木さん
上木さん

それ以外に得意な部分があるからね。

それぞれが得意を活かせるように働けたら良いのにね。

夫婦で話し合う時間が増えた結果「島移住」へ

森満
森満

そういえば、今年1年間上木さん以外の家族って島に移住してるんですよね?

上木さん
上木さん

そうそう!

沖永良部に妻と子ども2人で暮らしてるよ。

僕が一人で鹿児島市に残ってて、「逆単身赴任」状態。

森満
森満

どういう話合いの結果、今の暮らし方をしようってなったんですか?

上木さん
上木さん

うちの長男(小学3年生)は、海とか自然が好きな感覚が強い子で。

夫婦で何気なく話してた時に、ふと「自然が豊かな場所で子育てするのもいいよね」っていう話になったの。

森満
森満

うんうん。

上木さん
上木さん

自分の実家が徳之島でさ。

毎年子どもを連れて長期間帰省するんだけど、息子が毎回「最高だ!」って言ってるのをずっと見てきてるわけ。

今まで街中で子育てしてきたけど、やっぱり子ども達のことを考えると「自然の中で育てた方がいいよね!」っていう想いに至って、山村留学できる場所を色々探したのよ。

森満
森満

子どもにとって一番良い環境を優先したいっていう想いに夫婦で至ったわけですね。

上木さん
上木さん

そもそも妻が子どもの頃、山村留学した経験があったことも大きかったのかもしれないね。

森満
森満

うんうん。

上木さん
上木さん

結果として沖永良部島にすごく良い条件の受け入れ先があって。

「いいじゃん!」ってなって、応募した感じかなぁ。

森満
森満

最初から奥さん+子2人で行く予定だったんですか?

上木さん
上木さん

そうだね。

僕と妻は同じタイミングで育休取り始めてて。

僕が1年で復帰した後も妻は育休を取ってて、今年育休3年目のタイミングなのよね。

森満
森満

なるほど。

ただ、1年限定とはいえ、家族と離れて暮らすってかなり大きな決断ですよね?

上木さん
上木さん

なり大きいよ。

妻にとっては1人で子どもを連れて知らない土地で暮らすっていう決断だし、僕に取っては子ども達に1年間会えないっていうさ..

一番一緒にいたい時期じゃん。

森満
森満

育休で24時間一緒にいたシチュエーションから、今度はほとんど会えない暮らし方になるわけですもんね。。

変化って大事

上木さん
上木さん

でも変化って大事じゃん?

公務員の仕事は変化しないことを求められるけど。笑

森満
森満

変化するリスクには敏感なのに、変化しないリスクには鈍感ですよね。苦笑

上木さん
上木さん

まさに。

森満
森満

いやでも、やっぱり日頃から夫婦でちゃんとコミュニケーション取れてないと、そもそもそういう決断には至らないと思います。

夫婦関係がうまくいってる証拠ですよね。

上木さん
上木さん

そうだよね。

結構大きな決断だったからね。

夫婦で同じ方向を向いてたから、妻からこの話を聴いた時もストンって腹落ちしたもん。

そうだよな、うちの子にとってはそっちの方が絶対良いもんなって。

森満
森満

そんな話し合いができる夫婦、なかなかいないと思います。

自分自身と向き合う1年に

森満
森満

今年は家族と離れて暮らすわけですが、どんな1年にしたいですか?

上木さん
上木さん

家族に会いに行く時間を最優先で確保するのはもちろんなんだけど、ゆっくり自分を見つめ直そうかなって思ってるよ。

自分が歩みたい人生をもう一回見つめ直して、一歩踏み出す1年にしようかなって、そう思ってる。

森満
森満

最高です。

上木さん
上木さん

っていう話を妻にしたら「一歩踏み出すためにも少しお金の勉強をして」って言われた。

できんのよね..興味ないんだよなぁ..笑

森満
森満

笑笑

上木さん
上木さん

今まで、そもそも自分自身が何をしたいのか、どう生きたいのか、考えて続けてはいたんだけどね。

でも、考えてただけだったからさ。

森満
森満

子どもがいると、どうしても自分自身は横に置いて、家族が最優先になりますしね。

上木さん
上木さん

そうそう。

父親時間がほとんどじゃん。

今は自分しかいないから、自分が楽しいと思うことやモノを見つめ直してるよ。

幸せな毎日を全力で楽しむ

森満
森満

じゃあ、ここからさらに先のステージへ進む1年になるわけですね。

上木さん
上木さん

育休NEOみたいな感じよ。

ネクステージへ行くわ。

森満
森満

笑笑

話がごちゃごちゃしましたけど、結果的に「育休取ってよかった!」っていう話でいいですか?

上木さん
上木さん

そうよ!

育休取ってない自分の姿は、全く考えられないよね。

どうなってたかなぁ..仕事の愚痴言いながら酒飲んでみたいなことを今だにやってたかもしれないよね。

森満
森満

そうですよね。。

上木さん
上木さん

まぁでもやっぱり家に帰っても家族が居ないのは寂しいよ。。

寝相の悪い子ども達にもみくちゃにされながら寝る夜に慣れてるからさ。

森満
森満

寂しいでしょうね。笑

上木さん
上木さん

でもそんな風に過ごせる毎日もあと何年かしかないわけじゃない?

だから、今の幸せな毎日を全力で楽しもうと思ってるよ。

森満
森満

今を全力に楽しむことが結果的に幸せな未来に繋がっていきますよね!

ということで、本日はありがとうございました!

上木さん
上木さん

こちらこそ、ありがとうございました!!

まとめー第8話ー

妻から移住の話を聴いた時もストンって腹落ちした

24時間家族と一緒に暮らす育休中から一転、現在は「逆」単身赴任生活中の上木さん。

なぜ今の生活スタイルになったのか、その過程を伺えば伺うほど、夫婦の強いパートナーシップを感じずにはいられませんでした。

お互いに信頼し、日頃からコミュニケーションを密に取っているからこそ、新たなチャレンジができる。

寝かしつけで寝落ちしやすい僕としては、かなりハッとさせられたインタビューでした(夫婦晩酌トークの頻度を増やさねば!)。

ということで、今回も最後までご覧いただき、ありがとうございました!

また次回、お会いしましょう!!

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