毎年、鹿児島県内の各地で活躍する人材を輩出する「本気の地域づくりプロデューサー養成講座」。
この講座の受講生たちに定期的にインタビューをし、年々変化していく様子を応援しようという本企画。
今回のゲストは、種子島の中種子町で地域おこし協力隊として働く湯目由華さんです。
後編では、絶賛チャレンジ中のクラウドファンディングのことや、思い描く未来についてお話を伺います。
<聞き手=森満 誠也(KagoshimaBase編集者)>
地域おこし協力隊としての活動
高校生のやりたいことを応援したい
2020年4月に地域おこし協力隊として着任し、様々な活動をされてきたと思います。
中でも、高校生たちと一緒に企画したりイベントしたりしている様子が印象的だなぁと感じていて。
そうですね。
種子島中央高校の生徒たちと関わる機会を頂いて。
生徒たちのやりたいことを実現するお手伝いができないかなと考える中で、商店街を利用したイベント『旭町通りよろ~て市』を高校生と開催したり、種子島のPR動画を高校生と作成して観光甲子園に応募したりしました。
移住1年目にして、高校生とガッツリ関われていること自体がすごいですよね。
一方で、先生たちから嫌がられたりしないんですか?
「余計な仕事を増やしてくれるな!」みたいな。
いや、それが全然なくて!
種子島中央高校の先生たちは、とにかく熱心で面白い人が多いんですよ!
東京から友人が遊びに来た時も、友人の話を高校生に聞いてほしかったかので、急遽先生に相談したら、「いいよー」って言ってもらえたりして。
柔軟‼
素敵な先生が多い学校自体が、中種子町の大きな魅力だと思います。
たねがしまスープ
それから、たねがしまスープっていう活動もされてますよね?
この活動を始めるきっかけを教えてもらえますか?
地域で何かに取り組む人同士を繋いだり、地域にいる人が取り組みを知るきっかけをつくることで 「この町には何もないという声をポジティブなものに変えられるのでは?」と思ったからです。
この取り組みは知史さんのnoteで拝見したんですけど、最高だなと思っていて。
なにが最高かって、参加者に多様性があること。
世代や性別、職種がぐちゃぐちゃに混ざった上で、しかも前向きな場になってることの価値はすごく高いと思うなぁ。
今まで2回開催してると思いますが、やってみてどうでした?
場を作ること自体が初めてで苦労しましたが、それ以上にその場にいるみんながポジティブな話をしていてとても嬉しくなりました!
「町の未来の取組が知れてよかった」「普段で合えない人と話ができた」という声もいただけて、嬉しかったですね。
そういう声をもらえると、これからも頑張ろうって思えますよね。
少し話は変わりますが、地域おこし協力隊って、立ち位置がすごく微妙じゃありませんか?
民間と行政、どっちにも軸足があるみたいな。
ですね。
人口も少なく、つながりの濃い街なんですけど、民間側の言い分と行政側の言い分が違うことも結構あって。
なんとなく想像できます。
私自身、どっちの立場に立てばいいのかも良く分からないことが多くて。。
だからこそ、たねがしまスープみたいな場が重要なんだと思います。
明るい未来を語り合う場なんて、大人になってからほとんど無いですもん。
『種子島が好き』っていう共通項がある人達なら、きっと分かり合えると思うし、相互理解が進めば、強力に前に進む予感がします。
そう言ってもらえると嬉しいです…‼
社会人でもモヤモヤしてる人はたくさん居そうなので、少しずつ、この輪が広がっていけばいいなと思っています。
チャレンジ拠点としてのYOKANA
その輪をさらに広げるために、空き家をリノベーションして、場をつくろうとしているんですよね?
そうです!
YOKANA(よかな)っていう屋号なんですけど、築60年の古い空き家(2階建て)をリノベーションして、カフェ、コワーキングスペース、シェアキッチン、ゲストハウスにしている最中です!
なぜその空き家を借りることになったんですか?
大家さんが抜群に良い人なんですよ!
ぽろっと相談した時に、「うちの空き家使いなよ!」って言ってくれて。
最高ですね‼
そうなんです!
今では、夫の次に相談できるのが大家さんで、私の心の支えになってくれる存在です。
チャレンジしやすい空気をつくりたい
ゲストハウスやコワーキングスペースと併せて、シェアキッチンをつくろうと思った理由を教えてもらえますか?
ここの場所をきっかけに、チャレンジしやすい空気をつくりたいんですよ。
シェアキッチンに関しては、「店を持ちたいけど、いきなり事業としてスタートさせるにはハードルが高い。。」みたいな方に、お試しの場として使ってほしくて。
やってみて、踏み出すことで見えてくることがたくさんありますもんね。
そうなんです。
そのシェアキッチンで提供する料理をゲストハウスに泊まる方が食べてくれて、島内外の交流拠点にもなれたら嬉しいなぁ。
リノベーションのプロジェクトをスタートさせて、地域の方の反応はどうですか?
地域のおばちゃん達がすごく協力してくれるんですよ!
それこそDIYにしても、「これからは女性の時代だから、私たちもDIYできるようになりたい!」って言って、手伝いに来てくれて。
それは心強いなぁ。
そうやって手伝う人が出てくるのは、湯目夫婦の人柄なんだと思います。
何のためにやるのか
商店街の人たちにも事前に説明をさせてもらったんですよ。
シェアキッチンとかカフェをオープンするっていうと、「お客さんがとられるんじゃ!?」みたいに思われそうじゃないですか?
たしかに。
私たちがやろうとしてることは、商店街からお客さんを奪うことが目的ではなくて。
シェアキッチンは、あくまでもチャレンジスペースの意味合いが強いし、ゲストハウスに泊まった方には、どんどん商店街のお店でご飯を食べて、種子島の人と関わってもらいたいんです。
何のためにやるのかっていう部分を、地域住民にしっかり説明したわけですね。
そうです!
中種子町の中心部には旭町商店街があるんですけど、この商店街の飲食店にはチェーン店がないんですよ。
それって裏を返せば、どのお店に入っても種子島のものを食べてもらえるってことじゃないですか。
それってすごくメリットだなと思っていて。
商店街のどの飲食店に入っても、種子島の人が作った料理が食べれるってことですもんね。
旅行者にとって地元のモノに触れられる体験は、たしかに思い出に残りやすいかも。
商店街の頑張っているお店と一緒に中種子町を盛り上げていきたい。
前に進みたい人が、チャレンジできる場所をつくりたい。
そのためにYOKANAをオープンさせるんです。
地域づくりプロデューサー養成講座について
よく理解できました。
少し話は変わりますが、
鹿児島県主催の「本気の地域づくりプロデューサー養成講座」を受講していたと思います。
なぜ受講しようと思ったのか、そのきっかけを教えていただいてもいいですか?
「地域から聞こえてくる課題を地域の人と解決していきたい!」って思ったんですけど、 そもそもやったことがないから不安が大きかったんです。
中種子町には私たち夫婦以外に協力隊もいないので、同じ熱量の仲間を見つけるのが難しいと感じていて。
何から始めていいか、そもそもだれに相談すればいいのかすら、分からないですもんね。。
そうなんですよ。
そんな時にこの講座の存在を知って。
他の地域の事例や方法を勉強したかったし、他の地域の熱量のある人と繋がりたいと思ったので、参加を決めました!
4ヶ月にわたる講座を終え、振り返ってみてどうでしたか?
全部の時間がほんっとうに濃厚で!
勉強になることばかりでした!
一番受講してよかったのは、他の地域で同じように悩みながらも頑張っている人と仲間になれたことですね。
たしかに!
みんな悩みながらも戦っていて、僕自身もすごく刺激とやる気をもらえました!
ですよね!
他の人が頑張る姿を見ると、私もまだまだがんばんなきゃ!と思えます。
講座で教わったことを実行し、今度は種子島、鹿児島の地域の活性化につなげていければなぁと思っています!
将来の展望
最後に、将来の展望についてお伺いしたくて。
地域おこし協力隊の任期を終えた後どうしていくか、なんとなく思い描いてるイメージはあります?
一般社団法人を2021年4月に立ち上げて、それこそYOKANAでカフェやゲストハウスの運営がはじまるので、今はとにかくその運営を頑張ろうと思っています。
4月から!
もうすぐスタートなんですね!
でも、どう考えてもYOKANAだけでは食べて行けそうにないので、併せて他の方法も模索していこうと思っています。笑
バイタリティがすごいですね。。
色々とお話を伺えて、僕自身も元気をもらえました!
本日は寒い中ありがとうございました!!
こんな感じで大丈夫でしたか?汗
こちらこそ、ありがとうございました!
まとめー後編ー
2021年2月16日から始まった空き家リノベーションのクラウドファンディング。
リターンを見てみると、5000円でゲストハウスの宿泊券があったり、15000円でシェアキッチン貸切があったり、10000円で湯目夫妻と中種子周回コースがあったりして面白いので、種子島にゆかりのある方もそうでない方も、是非HPを見てみてください!
湯目さんがこれからどんなアクションを起こすのか期待が膨らみますし、来年どう変化しているのか、また定期的に取材させてほしいなぁと思える、そんなインタビューでした!
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!
では、また次回お会いしましょう!
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