【後編】皆がチャレンジできる拠点をつくる【湯目由華|中種子町地域おこし協力隊】

中種子町

毎年、鹿児島県内の各地で活躍する人材を輩出する「本気の地域づくりプロデューサー養成講座」

この講座の受講生たちに定期的にインタビューをし、年々変化していく様子を応援しようという本企画。

この記事は5分で読めます^^

今回のゲストは、種子島の中種子町で地域おこし協力隊として働く湯目由華さんです。

後編では、絶賛チャレンジ中のクラウドファンディングのことや、思い描く未来についてお話を伺います。

<聞き手=森満 誠也(KagoshimaBase編集者)>

地域おこし協力隊としての活動

高校生のやりたいことを応援したい

森満
森満

2020年4月に地域おこし協力隊として着任し、様々な活動をされてきたと思います。

中でも、高校生たちと一緒に企画したりイベントしたりしている様子が印象的だなぁと感じていて。

湯目さん
湯目さん

そうですね。

種子島中央高校の生徒たちと関わる機会を頂いて。

生徒たちのやりたいことを実現するお手伝いができないかなと考える中で、商店街を利用したイベント『旭町通りよろ~て市』を高校生と開催したり、種子島のPR動画を高校生と作成して観光甲子園に応募したりしました。

とにかくemotional
森満
森満

移住1年目にして、高校生とガッツリ関われていること自体がすごいですよね。

一方で、先生たちから嫌がられたりしないんですか?

「余計な仕事を増やしてくれるな!」みたいな。

湯目さん
湯目さん

いや、それが全然なくて!

種子島中央高校の先生たちは、とにかく熱心で面白い人が多いんですよ!

東京から友人が遊びに来た時も、友人の話を高校生に聞いてほしかったかので、急遽先生に相談したら、「いいよー」って言ってもらえたりして。

高校生×海。ベストオブ絵力。
森満
森満

柔軟‼

素敵な先生が多い学校自体が、中種子町の大きな魅力だと思います。

たねがしまスープ

森満
森満

それから、たねがしまスープっていう活動もされてますよね?

この活動を始めるきっかけを教えてもらえますか?

湯目さん
湯目さん

地域で何かに取り組む人同士を繋いだり、地域にいる人が取り組みを知るきっかけをつくることで 「この町には何もないという声をポジティブなものに変えられるのでは?」と思ったからです。

お試し企画「たねがしまminiスープ」の様子
森満
森満

この取り組みは知史さんのnoteで拝見したんですけど、最高だなと思っていて。

なにが最高かって、参加者に多様性があること

世代や性別、職種がぐちゃぐちゃに混ざった上で、しかも前向きな場になってることの価値はすごく高いと思うなぁ。

今まで2回開催してると思いますが、やってみてどうでした?

湯目さん
湯目さん

場を作ること自体が初めてで苦労しましたが、それ以上にその場にいるみんながポジティブな話をしていてとても嬉しくなりました!

「町の未来の取組が知れてよかった」「普段で合えない人と話ができた」という声もいただけて、嬉しかったですね。

プレゼンを聴いた後、スープを飲んで話し合う
森満
森満

そういう声をもらえると、これからも頑張ろうって思えますよね。

少し話は変わりますが、地域おこし協力隊って、立ち位置がすごく微妙じゃありませんか?

民間と行政、どっちにも軸足があるみたいな。

湯目さん
湯目さん

ですね。

人口も少なく、つながりの濃い街なんですけど、民間側の言い分と行政側の言い分が違うことも結構あって。

森満
森満

なんとなく想像できます。

湯目さん
湯目さん

私自身、どっちの立場に立てばいいのかも良く分からないことが多くて。。

森満
森満

だからこそ、たねがしまスープみたいな場が重要なんだと思います。

明るい未来を語り合う場なんて、大人になってからほとんど無いですもん。

『種子島が好き』っていう共通項がある人達なら、きっと分かり合えると思うし、相互理解が進めば、強力に前に進む予感がします。

湯目さん
湯目さん

そう言ってもらえると嬉しいです…‼

社会人でもモヤモヤしてる人はたくさん居そうなので、少しずつ、この輪が広がっていけばいいなと思っています。

種子島の観光PR動画をつくる高校生たち

チャレンジ拠点としてのYOKANA

森満
森満

その輪をさらに広げるために、空き家をリノベーションして、場をつくろうとしているんですよね?

湯目さん
湯目さん

そうです!

YOKANA(よかな)っていう屋号なんですけど、築60年の古い空き家(2階建て)をリノベーションして、カフェ、コワーキングスペース、シェアキッチン、ゲストハウスにしている最中です!

YOKANA完成イメージ
森満
森満

なぜその空き家を借りることになったんですか?

湯目さん
湯目さん

大家さんが抜群に良い人なんですよ!

ぽろっと相談した時に、「うちの空き家使いなよ!」って言ってくれて。

森満
森満

最高ですね‼

湯目さん
湯目さん

そうなんです!

今では、夫の次に相談できるのが大家さんで、私の心の支えになってくれる存在です。

湯目夫婦と大家さん。良い写真。

チャレンジしやすい空気をつくりたい

森満
森満

ゲストハウスやコワーキングスペースと併せて、シェアキッチンをつくろうと思った理由を教えてもらえますか?

湯目さん
湯目さん

ここの場所をきっかけに、チャレンジしやすい空気をつくりたいんですよ。

シェアキッチンに関しては、「店を持ちたいけど、いきなり事業としてスタートさせるにはハードルが高い。。」みたいな方に、お試しの場として使ってほしくて

森満
森満

やってみて、踏み出すことで見えてくることがたくさんありますもんね。

できる部分はなるべく自分たちの手でDIY
湯目さん
湯目さん

そうなんです。

そのシェアキッチンで提供する料理をゲストハウスに泊まる方が食べてくれて、島内外の交流拠点にもなれたら嬉しいなぁ。

森満
森満

リノベーションのプロジェクトをスタートさせて、地域の方の反応はどうですか?

湯目さん
湯目さん

地域のおばちゃん達がすごく協力してくれるんですよ!

それこそDIYにしても、「これからは女性の時代だから、私たちもDIYできるようになりたい!」って言って、手伝いに来てくれて。

森満
森満

それは心強いなぁ。

そうやって手伝う人が出てくるのは、湯目夫婦の人柄なんだと思います。

由華さん自身もドライバーを持ち、DIYに奮闘中

何のためにやるのか

湯目さん
湯目さん

商店街の人たちにも事前に説明をさせてもらったんですよ。

シェアキッチンとかカフェをオープンするっていうと、「お客さんがとられるんじゃ!?」みたいに思われそうじゃないですか?

森満
森満

たしかに。

湯目さん
湯目さん

私たちがやろうとしてることは、商店街からお客さんを奪うことが目的ではなくて。

シェアキッチンは、あくまでもチャレンジスペースの意味合いが強いし、ゲストハウスに泊まった方には、どんどん商店街のお店でご飯を食べて、種子島の人と関わってもらいたいんです。

森満
森満

何のためにやるのかっていう部分を、地域住民にしっかり説明したわけですね。

湯目さん<br>
湯目さん

そうです!

中種子町の中心部には旭町商店街があるんですけど、この商店街の飲食店にはチェーン店がないんですよ。

それって裏を返せば、どのお店に入っても種子島のものを食べてもらえるってことじゃないですか。

それってすごくメリットだなと思っていて。

旭町通りよろ~て市
森満
森満

商店街のどの飲食店に入っても、種子島の人が作った料理が食べれるってことですもんね。

旅行者にとって地元のモノに触れられる体験は、たしかに思い出に残りやすいかも。

湯目さん
湯目さん

商店街の頑張っているお店と一緒に中種子町を盛り上げていきたい。

前に進みたい人が、チャレンジできる場所をつくりたい。

そのためにYOKANAをオープンさせるんです。

地域づくりプロデューサー養成講座について

森満
森満

よく理解できました。

少し話は変わりますが、

鹿児島県主催の「本気の地域づくりプロデューサー養成講座」を受講していたと思います。

なぜ受講しようと思ったのか、そのきっかけを教えていただいてもいいですか?

湯目さん
湯目さん

「地域から聞こえてくる課題を地域の人と解決していきたい!」って思ったんですけど、 そもそもやったことがないから不安が大きかったんです。

中種子町には私たち夫婦以外に協力隊もいないので、同じ熱量の仲間を見つけるのが難しいと感じていて。

森満
森満

何から始めていいか、そもそもだれに相談すればいいのかすら、分からないですもんね。。

湯目さん
湯目さん

そうなんですよ。

そんな時にこの講座の存在を知って。

他の地域の事例や方法を勉強したかったし、他の地域の熱量のある人と繋がりたいと思ったので、参加を決めました!

森満
森満

4ヶ月にわたる講座を終え、振り返ってみてどうでしたか?

湯目さん
湯目さん

全部の時間がほんっとうに濃厚で!

勉強になることばかりでした!

一番受講してよかったのは、他の地域で同じように悩みながらも頑張っている人と仲間になれたことですね。

森満
森満

たしかに!

みんな悩みながらも戦っていて、僕自身もすごく刺激とやる気をもらえました!

湯目さん
湯目さん

ですよね!

他の人が頑張る姿を見ると、私もまだまだがんばんなきゃ!と思えます。

講座で教わったことを実行し、今度は種子島、鹿児島の地域の活性化につなげていければなぁと思っています!

将来の展望

森満
森満

最後に、将来の展望についてお伺いしたくて。

地域おこし協力隊の任期を終えた後どうしていくか、なんとなく思い描いてるイメージはあります?

湯目さん
湯目さん

一般社団法人を2021年4月に立ち上げて、それこそYOKANAでカフェやゲストハウスの運営がはじまるので、今はとにかくその運営を頑張ろうと思っています。

YOKANA 変わっていく過程こそ楽しい
森満
森満

4月から!

もうすぐスタートなんですね!

湯目さん
湯目さん

でも、どう考えてもYOKANAだけでは食べて行けそうにないので、併せて他の方法も模索していこうと思っています。笑

森満
森満

バイタリティがすごいですね。。

色々とお話を伺えて、僕自身も元気をもらえました!

本日は寒い中ありがとうございました!!

湯目さん
湯目さん

こんな感じで大丈夫でしたか?汗

こちらこそ、ありがとうございました!

本当に寒かった。室内でインタビューすべきでした。ごめんなさい。

まとめー後編ー

2021年2月16日から始まった空き家リノベーションのクラウドファンディング

リターンを見てみると、5000円でゲストハウスの宿泊券があったり、15000円でシェアキッチン貸切があったり、10000円で湯目夫妻と中種子周回コースがあったりして面白いので、種子島にゆかりのある方もそうでない方も、是非HPを見てみてください!

湯目さんがこれからどんなアクションを起こすのか期待が膨らみますし、来年どう変化しているのか、また定期的に取材させてほしいなぁと思える、そんなインタビューでした!

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

では、また次回お会いしましょう!

コメント

タイトルとURLをコピーしました