移住という人生の大きな決断をして、鹿児島の最前線で活躍する地域おこし協力隊が、日々どんな思いで働いているのかを深堀る『地域おこし協力隊図鑑』
今回のゲストは、鹿児島市喜入のグリーンファームで地域おこし協力隊員として働く橋口亮さんです。
後編では、家族のこと、協力隊の任期終了後のことについて、お話を伺いました。
<聞き手=上木寿人(KagoshimaBase編集者)、森満 誠也(KagoshimaBase取材者)>
これからの活動
3年前からは想像つかない
実際どうでした?協力隊としての3年間。
楽しかったですね。
3年前を思うと、いまの姿は全く想像できませんよ。
当時住んでた横浜から鹿児島に来て、協力隊の採用面接受けてましたもんね。
旅費8万円かけて、受けにきましたよ!笑
僕、実は面接会場の外に裏方でいたんですよ。
橋口さんの面接が終わった後、面接官のみなさんが「履歴書の写真と全然違うね(いい意味で)!実際見たらいい男だったよ!」って言ってて。
「逆になんで履歴書の写真に、あんな不愛想な写真使ったんだろう?」って言ってましたよ。笑
書類の申し込み期限がぎりぎりすぎて。
時間なくって駅前で急いで撮ったのをペッて貼った写真だったんですよ。笑
そういう写真を貼ってくるあたりが、橋口さんらしいですよね。笑
グリーンファームを拠点に展開する
いよいよ、地域おこし協力隊としての任期も終わりですね。
はやいなぁ。
そうですねぇ。
ただ、地域おこし協力隊は終わりますけど、グリーンファームの指定管理で入っている『追立造園』の社長さんも地域おこしに熱い方で。
へぇ!
そうなんですね!
面白い情報を色々と持ってきてくださって、それきっかけで動いてる活動もあるんですよ。
協力隊を辞めても、僕はグリーンファームにいるので、ここを通じての展開ができるのかなと思っています。
それがうまくビジネスになればいいですね!
その辺も、グリーンファームの園長として残るからこそ、チャレンジしやすいのかなと思っていて。
3年間協力隊をして、この後もグリーンファームにいるからやりやすいと。
でも、橋口さんみたいな形って、珍しいパターンなのかも。
他の地域の協力隊の方って、任期が終わった後は所属してた場所を出て、自分で新しいものをぶちあげる方が多いのかなぁっていう印象で。
でも、橋口さんみたいに出向先にそのまま残りながら、広げていくという。
うんうん。
でも、本当はそっちの方が、市が望んでた姿でもあるわけじゃないですか。
グリーンファーム(喜入)を盛り上げてほしいと派遣されて、そこで園長になって、盛り上げていくという。
鹿児島市としては、かなり嬉しい形だし、ほんとに橋口さんが来てくれてよかったなぁって。
力を抜いて生きていく
たしかに。笑
グリーンファームのある喜入町の一倉校区とも、どんどんつながりが強くしていこうと思ってます。
橋口さんがカヌーを教えに行ったりしてますもんね。
協力隊として働いてた場所で園長になるって、最初は想定してなかったと思うけど、完全に結果オーライですよね。
そう、結果オーライ。
ほんとに。
園長じゃなかったら、俺、今頃何してたんでしょうかね?笑
たしかに。笑
恐怖ですよね。笑
なんか、橋口さん見てると、力を抜いて生きていくことの大切さというか、考え過ぎない方が、結果上手くいくことの方が多いのかなと。
そう感じますよね。
いや~、ほんとにそう!
いや、怖いよね。
でも、面白いですよね、人生。
プライベートについて
橋口家の夫婦関係
里君から見て、橋口家はどうですか?
僕から見たら、仲睦まじい感じがします。
多少、けんかはあっても、楽しそうです。
子どもたちとも、楽しく出かけているし。
やっぱり奥さんが素晴らしいから、仲が良いんだね。
先に謝りますもん。
奥さんが怒り出す前に。
あっ、その『先に謝っとく』っていうのが、女性の逆鱗に触れることがあるみたいですよ。
「ごめん、先に謝っとくわ」っていうのが。
なるほど!
むずかしいですね~。
でも、里君からみたら、仲良い雰囲気が出てるんですよね?
いつも園長の家で、ご飯をごちそうになってるんですよ。
僕、辛いのとか苦手なんですけど、奥さんの料理は、味がやさしいんですよ。
『味がやさしい』っていう視点は、すごく良い表現。
「 ただキムチの素を入れただけなんだけど」って言ってたよ。笑
結構、凝って料理しますからね。
お客さんが来るとなると。
「いいよもう、適当で」って言うんですけど。
そういうことを言うから怒られるんですよ。
たしかに。。
また、怒られますね。
それ、誰が聞いても怒りますよ!
奥さまがすごい
笑笑
でも、ありがたいですよね。
お客さん連れてきたら、ちゃんと料理出してくれるわけでしょ?
ありがたいですよね。ほんと。
なんか、笑ってしまうのよね。
橋口さんと奥さんとの関係の話になると。
だって、完全に奥さんの勝ちじゃないですか。
奥さんがすごいじゃないですか。
そう、奥さんの勝ち。
世間的には表に出てるのが橋口さんだから、橋口さんが褒められがちだけど。
そう!
橋口さんが協力隊としてちゃんとやってるからこそ、注目されてるわけなんだけど。
ただ、やっぱ奥さんがすごいって、男の僕たちが見てもそう思うわけですから!
ねえ、里君、そう思わない?
そうですね….
だって、橋口さん、あの奥さんがいないと、その辺でのたれ死ぬと思うよ。
でも、普通に生活してそうですよ。
すごいパワフルだから。
奥さんに逃げられて、一人になってもってこと?
いやいや。笑
もし結婚してなくて、独身でもってことです。
びっくりした!
「奥さんに逃げられてるのにパワフルに生活してそう」って言ったのかと思ったよ。笑
笑笑
園長って、いつも前向きじやないですか。
どんなにつらい状況でも、パワフルに生きていきそうだなって。
たしかにね。
その時その時で、楽しさをすぐ見つけられそう。
人間『橋口』
今までの話を思い返すと、里くんと橋口さんのやりとりからグリーンファームの職場の雰囲気の良さが出てるなぁって感じていて。
『グリーンファームみたいな職場で働きたい』と思う人がたくさんいるだろうなって思いました。
橋口さんみたいな人だからこそ、グリーンファームの指定管理が始まる時も、『橋口さんを園長に!』っていう声があがったわけですもんね。
ありがたいですよ。
前回のインタビューも面白かったじゃないですか、『狩猟したいって思っていきなり合羽橋に出刃包丁買いに行った』とか、『協力隊の志望動機が取材の度に変わる』とか。
これから橋口さんどうなっていくか、めちゃくちゃ興味あるんです。
僕らが勇気がなくて出来なかったことを、橋口さんは勇気をだして、一歩踏み出して、今があるんじゃないですか。
すごくうらやましいんです。
橋口さんの姿をとおして、僕たちは追体験させてもらってる感覚なんですよ。
こっから、ダーッと落ちぶれる可能性もありますよ。
そうなっても、周りが、助けてくれるじゃないですか。
橋口さんなら絶対。
グリーンファームに来て最初の頃の飲み会の時、橋口さんが、「3年してダメになってたら、ハハハって笑ってくださいね」って、言ってて。
この人すごい人だなって思ってました。
協力隊になる人たちってクリエイティブな人多くて、カッコよくやっちゃう人が多いイメージなんですけど、橋口さんは全然そんな感じじゃない。
いい意味でね!笑
食っていけてるし、うまくいってる。
すべて見せてるでしょ。
『人間 橋口』を全て見せて「これが俺だ!」って。
その感じがおもしろいですよね。
でも、橋口さん見てたら、なんとなくその理由もわかるような気がします。
ただ、マネしたらいけないやつですよね。笑
そもそもマネできないですけどね。笑
里君はマネしたらダメよ。
マネしたら畳の上で死ねないかもしれないから。笑
これは、橋口さんにしかできないことだから。笑
笑笑
また、良い報告できたらいいですね。
良い報告とかいらないんで、また近況を聴かせてくださいね。笑
今日はありがとうございました!
まとめー#5ー
「でも、面白いですよね、人生」
『行き当たりばったり』ってネガティブに使われることが多い言葉ですが、橋口さんを見てると、ほんとはポジティブな言葉なんだと思えてきます。
思い切って進んでみないと何も分からないし、何も変わらない。
当たり前のことに気づかされたインタビューでした。
「でも、面白いですよね、人生」
心からこんな言葉を言える橋口さんがうらやましい!
こらからも、橋口さんの今後を追っていきます。
そして、やっぱり、やっぱり、橋口さんの奥さまが素晴らしい!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
ではまた次回、お会いしましょう!
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