最近なにかと話題の育児休業(以下「育休」)。
育休を取ったパパやママが、子どもとどんな毎日を過ごし、何を考え、どんな思いを抱いているかをお聴きします。
初回のゲストは、熊本県水俣市役所で働く、倉田大吾(以下「大吾さん」)・智美(以下「智美さん」)ファミリーです。
第2話では、育休中の過ごし方について、お話を伺いました。【全4話です】
<聞き手=上木寿人(KagoshimaBase取材者)、森満 誠也(KagoshimaBase編集者)>
育休中の過ごし方について
オムツの替え方も分からなかった

育休を取って、実際に育児をされてみていかがですか?

最初はオムツの変え方も分からなかったんです。

ですよね!
「オムツのフチについてるこのピロピロ、『ギャザー』って言うんですね。。」
みたいな。

ギャザーを出してなくて、おしっこ漏れたりしてね。

そうそう!
逆に、ギャザーは中に入れこむのが正しいんだと思ってましたもん。笑

僕もノーギャザーにしてたら怒られたことある。笑

分からないこと、多いですよね。。笑

笑笑
男3人で『ギャザー』について語るこの状況って、すごい幸せな会話ですよね。笑

たしかに。笑

ちなみに大吾くんは、最初は『紙おむつのおしっこ専門』って言ってたけど、今では布おむつのうんちも替えられるよ!

最高ですね…‼

夜泣きの役割分担

あと、うちの子、長くても1時間半ぐらいしか寝ないんですよ。
赤ちゃんって、ずっと寝てるイメージだったんですけど。

例えば、夜中に子どもが「ギャー」って起きた時って、夫婦でどう役割分担されてますか?

そうですね…まぁ、奥さんが授乳して、それで寝てくれればベストなんですけど、それで寝なかったら、今度は奥さんから私にバトンタッチして寝かしつける感じですかね。
私自身、物音で起きちゃうタイプなので。。

(えらい。。僕は子どもが起きたことにも気づかずに、寝てることがほとんどだった。。)

不思議なのが、ママだと夜中寝ないのに、僕の抱っこで寝てくれる時があって。

わかります!

「あれ?僕の抱っこで良いのか?」みたいな。

抱き方もままならないのに。笑

そうそう。笑
でも、その時は妻からめちゃくちゃ感謝されるのよ。
だから、続けてやっていかないとなって思ってるんだよね。


最近は大吾くんが夜中起きないかわりに、午後に子どもを昼寝ドライブに連れて行ってくれるんです。
その間に、私は料理をしたり、キツイ時は横にならせてもらえて。

なるほどねぇ。

パパが家にいて、交代で家事や育児をできるって、ありがたいなぁと思ってます。

最高。
上木家の家事分担事情

上木さんの所では、家事の分担はどんな感じでやってますか?

我が家は、まだ産まれて60日目ぐらいなので、授乳以外のことは全部こっち(パパ側)でしてますね。

へぇー!
洗濯とか料理も?

うん、そうです。


料理、上手そうですよね!

一応、出来るんですよ。笑

上木さんの1日のルーティンって、どんな感じなんですか?

僕は朝が早いんですよ。
朝4時に起きて、その瞬間から家事を始めてます。笑

朝の方がみんな寝てるから、家事も捗りますよね!

そうそう!
朝ご飯食べさせたり、子どもを学校に送り出したり、なんやかんやして、大体朝9時ぐらいには家事をひととおり終わらせます。
そこから少し自由時間を頂いてますね。笑

育休を取るパパの増加

少し話は変わりますけど、最近、鹿児島市役所の中でも育休を取る男性職員って増えましたよね?

増えた増えた。
なんでなんだろうね?

やっぱりコロナ禍以降、家に居る時間が増えてるわけじゃないですか。
『仕事より家族の方が大事じゃね?』って気づいた人が増えたんじゃないかなぁ。

そこ、関係ありそうだよね。
でも、鹿児島市役所はここ数年でガラッと雰囲気が変わったというか。

というと?

僕が育休を取るって言った時も、周りの職員からポジティブなことしか言われなかったんですよ。
「家族との時間を楽しんでおいで!」って。

いいですね!

「実は僕も子ども産まれたら育休を取りたいんです」っていう職員も結構いたし。
感覚的に世代が変わってきたのかも。

なるほどなぁ。

パパの産後鬱

あ!
そう言えば、この間1ヶ月検診で助産院に行ったんですよ。
助産院で子どもが産まれた家庭って、パパが育休を取る家庭が多いみたいで。

うんうん。

で、いつもパパの方が暗い顔して検診にくるんだって。
パパの方が産後鬱みたいになってて。

なるほどなぁ。

家事育児って、仕事と全く違う環境に置かれて、パパも最初はすごく迷うと思うんですよ。

僕も日々悩みが尽きないです。笑

育休を取る男性が増える一方で、慣れない家事+未知の子育てで毎日クタクタになりますもんね。。
フリータイム制度

で、助産院の方から聴いた話では、そういう家庭ではママがパパに休みをあげるんですって。
「パパ!今日は家事何もしなくていいからね!どこか出かけておいで!!」って。笑

なるほど。笑
ちょうど私たちも、「フリータイムとかフリーデイをつくりたいよね」っていう話をしてたんですよ!

めっちゃ良いですね!

先日ね、産後しばらくして、ある時パッと鏡を見たら、そこに映る自分に愕然としてしまったんです。
「私、肌がめっちゃくすんでる。。」って。

(うんうん)

「これじゃいけない!自分のことも大事にしなくちゃ!」って思って。
それがきっかけで、「美容室に行きたい!」とか、「体験エステが1000円で出来るから行ってみたい!」とか思うようになりました。

我が家も、まさにその話をしてて。
妻から「とにかくずっと育児に追われてて、自分の時間がない」って言われました。
『フリーの時間が欲しい』って。

でも『難しいなぁ』って思うのが、子どもを預けてコーヒー1杯飲みにに出かけることさえ、『1人で出かける』って言うことに罪悪感を持ってしまうんだよね。

うちの妻から、似たようなことを言われたことがあります。
1人で出かけても、「とにかく子どもが気になる」って。
で、育休中に夫婦で話して気づいたんですけど、「出かけておいでよ」って言うだけじゃなくて、ママが選択できるようにした方がいいなと思いました。

というと?

例えば、誰だって家でダラダラしたい時もあれば、外に出掛けたい時もあるじゃないですか。
だから、ママが家でゆっくりしたい時は、僕が子どもを連れて外に出掛ければいい。
逆に出かけたい時は、子どもをパパが家で見といて、その間に出掛けてもらえばいい。
選択肢を提示してあげた方が、気分に合わせて選べるよなって。

なるほどねぇ。

いや、でも上木家と倉田家の話を聴いてて思ったんですけど、夫婦で「自由な時間がほしい!」って言い合えてる時点で、めちゃくちゃ素敵な関係性だと思います!笑

育児に休日や残業の概念はないからねぇ。
家庭以外の居場所

たしかに。。笑
ただ、いくら家族とはいえ、ずっと家の中で一緒に居ると、息が詰まったりしませんか?

詰まる詰まる。
だから、最近ジムに入ったんですよ。
もともと筋トレをすることが趣味なんですけど、家庭以外に自分の居場所が欲しかったっていうのがあって。

なるほどねぇ。

そうそう。
1人の時間をジムでつくってる感じですね。
相手に任せるということ

大吾さんは、子どもと2人っきりで過ごす時間って結構あります?

私と子どもの2人だけの時間だと、2時間ぐらいがマックスかも。
私自身は、半日出掛けさせてもらったりしてるんですけどね。。笑

なるほど。笑

私の知り合いで、7人ぐらい子どもがいる方がいるんですよ。

うんうん。

「あれもこれもママがしなきゃ!」って思ってると、ママ自身いつまで経ってもきついから、『そう思ってしまう枠をママ自身が取り外さないといけない』って言ってて。
そして、『その枠を取り外せるようになるのが、3人目の子どもからだ』って言ってたんです。

というと?

1人目とか2人目の子どもだと、ママ1人でなんとか見きれちゃうじゃない?
でも、3人目ってなると、絶対に手が足りないから。
ママとしても、あきらめるって言ったらあれですけど、任せるんだったらもう「信頼して任せるしかないな」と割り切ってしまうしかないって。

僕はまだ、妻から100%の信頼を得られていないので、まずはそこからですね。
子どもを僕が1人でお風呂に入れてても、気づいたら遠くから観察されたりするので。。


大丈夫かな?って気になってるだけだと思いますよ。笑
私も、夫に料理を任せた時、隣で「みじん切りってこうやるんだよ!」とか言っちゃってたんですけど、そんなことを隣で言われるの、嫌でしょ?

…嫌ですね。笑

でしょ。笑
私もつい言っちゃうことがあるから、日々修行中です。

なるほどなぁ。
料理作ってて、ちょい足しされると、少し切ない気持ちになるんですよね。笑

あー。
逆に、自分は奥様の料理にちょい足ししちゃってませんか?

…やってるかも。笑

笑笑

以前、妻におでんを作ってもらった時、柚子胡椒を入れて、「柚子が美味しいねぇ」って言っちゃったり。

柚子が美味しい笑
「柚子胡椒、私作ってないけど」って言われるでしょ?笑

「おでん作るために、ちゃんと出汁とってるんだけど?」っていう。笑
子ども自身に任せる

そう言えば、この前気づいたことがあって。

うんうん。

0歳の娘がギャーって泣いてて。
いつも泣いた時は、駆け寄って抱っこしたりするんですけど、ちょっと「このまま泣かせてみようかな」って思って、影で見てたんですよ。

なるほど。

そしたらそのままスッと寝て。
「おお!抱っこしなくても寝るんだ!」っていう。笑
それがめちゃくちゃ目から鱗でした。

赤ちゃん自身、集中して何かをしたい時があるみたいですよ。
例えば指しゃぶってる最中に大人が手を差し伸べると、妨げられた感じになっちゃうって。

なるほど!
何でも親が助けてあげるんじゃなくて、危なくない範囲で子ども自身に任せても良いのかもなぁ。

まとめー第2話ー
パパの産後鬱
パパ3人で、育児や家事の失敗談を語る時間は、僕らにとってすごく楽しい時間でした。
もっと周りのパパ同士で、育児や家事についてフランクに話せれば、パパの産後鬱も少し軽減されるのかなぁ。
そんななことを、ギャザーの話をしながらしみじみ感じましたね。笑
ということで、第2話では育休中の過ごし方について、お話を伺いました。
ではまた次回、お会いしましょう!
コメント