【後編】市民のためのチャレンジなら、全部私がリスクは背負う【下鶴隆央|鹿児島市長】

公務員図鑑

最前線で働く公務員が、日々どんな思いで働いているのかを深堀る『公務員図鑑』

今回のゲストは、鹿児島市長として働く下鶴隆央【Takao Shimozuru】さんです。

この記事は6分で読めます^^

後編では、家族についてのお話や、どんな職員と一緒に働きたいかという踏み込んだ部分についてお話を伺いました。

下鶴市長の普段あまり見ることのできない本当の想いや必死に働いてる姿をとおして、少しでも公務員の存在を身近に感じてもらえると嬉しいです。

前編 「ただ指をくわえて見てるのはカッコ悪すぎる」と思った【市長職について編】

後編 市民のためのチャレンジなら私がリスクを背負う【職員への想い&家族編】

市長が求める職員像

どんどんチャレンジしてほしい

森満
森満

市長が年始のあいさつを、職員一人ひとりに届く形でメールしてくれたじゃないですか?

あれ、かなり嬉しかったんですよ。

普段、めったに話すことのできない市長との距離感が、グッと近く感じられたと言いますか。

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下鶴市長

ありがとうございます。

私自身、2021年はコロナ対応に追われた1年だったんですよ。

そんな中で10月ぐらいから、自分のやりたいことにも少しずつ手を付け始めたような状況で。

IT関連を推進するために、CIO補佐官にも入ってもらったり。

森満
森満

なるほど。

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下鶴市長

やっぱり、私自身の価値観を職員のみなさんと共有しておきたいなと思って、ああいう形を取らせてもらいました。

森満
森満

年始のあいさつの中で、「市民のためにやるチャレンジなら、全部私がリスクは背負うよ」っておっしゃっていて。

あの言葉はグッときました。

すごく心強いなと。

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下鶴市長

うんうん。

上木
上木

新しいことへのチャレンジに対して、どうしても我々はリスクを恐れてしまいがちなので。

組織のトップである市長に『チャレンジしていいんだよ』って言ってもらえると、救われる職員は結構たくさんいるんじゃないかなって思います。

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下鶴市長

どんどん攻めてもらいたいです。

その姿勢がダメなのであれば、私が3年後に審判を下されるだけなので。

森満
森満

最高ですね…。

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下鶴市長

それでも、命を取られるわけじゃないですから。笑

上木
上木

笑笑

危機感の差

森満
森満

攻めてもらいたいという市長の言葉で思い出したんですけど、僕自身、色々な場面で公務員を目指してる大学生と話をする機会があるんです。

『この子面白いなぁ。一緒に働きたいなぁ。』って思う学生って、大体みんな鹿児島県庁と鹿児島市役所どっちも受かってて。

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下鶴市長

ええ。

森満
森満

ただ、そういう子たちって、ほとんど皆、鹿児島県庁を選んでるんですよ。

ここ1-2年、特にそれを感じていて。

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下鶴市長

うんうん。

森満
森満

「なぜ鹿児島県庁なの?」って聴くと、『鹿児島県と鹿児島市では、組織としての危機感が違いますよね』って。

「『明日がない!すぐに変えていかないとまずい!』っていう危機感を持ってるのは県庁だし、採用面接の時点で、あなたは県庁でどんなクリエイティブができるのか、探られてる印象を受けた」って言ってて。

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下鶴市長

なるほど。

森満
森満

彼らは、どっちが思いっきり自分の熱量を注いで働けるか、見抜いてるんですよ。

そこに僕は危機感を感じてて。

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下鶴市長

うんうん。

森満
森満

なぜ危機感を持ってるかって、僕はそういう子たちと一緒に仕事をしたいし、そういう子たちが鹿児島市役所に入ってくれば、下鶴市長が求めてる柔軟な発想やチャレンジするカルチャーの大きな『うねり』になると思うんですよね。

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下鶴市長

そういう子たちを鹿児島市に引っ張りたいですよね。

『鹿児島市役所は面白いぞ!』って、もっとアピールしていきたい。

森満
森満

いや、そうなんですよ!

めっちゃそう!!

上木
上木

魅力的な人が鹿児島市役所の中で働いてるのに、そこがうまく外に伝わっていないんですよね。

『市役所にも面白い人がいるよ』って外に伝えることも、鹿児島市のPRのひとつなんじゃないかなと思ってて。

だから、僕らはカゴシマベースの活動を続けてるんです。

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下鶴市長

なるほど。

上木
上木

今、市長が『そういう人たちを鹿児島市に引っ張ってきたい』って言ってくださった。

今回のインタビューを見て、『鹿児島市おもしろそうだな』って思ってくれた人が市役所に入ってきてくれるかもしれないなって、そこに希望を持ってます。

<span class="fz-16px">下鶴市長</span>
下鶴市長

面白さにつながる話で言うと、『職員提案制度』っていうのが、鹿児島市役所の中で運用されてるじゃないですか。

あの制度を将来的にもっと面白いものにしたいなっていう話をしてて。

森満
森満

なるほど。

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下鶴市長

職員提案で上がってきたものは、実際提案したからにはヒトもカネもつけるから、思いっきりやりなさいよって。

そういった形も、ゆくゆくは実現出来たらなって思ってます。

森満
森満

職場とか階級にとらわれず、自分のやりたいことをぶつけられる場をつくるっていうことですよね。

すごくモチベーションが上がると思います。

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下鶴市長

そもそも私の根底にある価値観として、『変わったことは良いこと』だという想いがあるんです。

面白いことって良いことだよねっていう価値観で、私は今まで生きてきてるので。

森満
森満

いや、素晴らしい…最高です。

上木
上木

役所の中にいると、そういう価値観って敬遠されがちですよね。

トップにいる市長がそういう風に言ってくれると、『今までダメなことだと思ってたけど、公務員でもどんどん挑戦して良いんだ!』って思える職員はたくさんいるんじゃないかなって思います。

どんな質問にもフランクに答えてくれて、ありがたかったです…‼

どんどんチャレンジしてほしいって言う意味

上木
上木

とはいえ、チャレンジして成功したとしても、なかなか職場の人達から認めてもらえない

そういう空気感もあるよなって感じていて。

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下鶴市長

公務員の人事制度上、そこは確かにそうなんですよね。

チャレンジに対してハイリスクローリターン。

むしろノーリターン

森満
森満

それは感じますね…

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下鶴市長

それを変えてやるのが上の仕事

だからこそ『職員にはどんどんチャレンジしてほしい』って、トップの私から言うべきことだよなって、常に思っています。

森満
森満

最高です…‼

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下鶴市長

さっきの採用の話に戻るけど、市と県を併願してる人間、全部ガサッと市に引っ張ってきたいですよね。笑

森満
森満

本当にそうなんですよ。

『人事』って、組織運営の中心部じゃないですか。

どんな人を落として、どんな人を採用するかで、組織のカラーや未来が大きく変わるので。

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下鶴市長

だからこそ、私は先頭に立って、ガンガン旗を振りたいんです!

『鹿児島市役所に入れば面白い働き方ができるよー!』って。

上木
上木

最高です。

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下鶴市長

これからの鹿児島市は面白いんだぞっていう部分を、どんどんアピールしていきたいなって思います。

どんな人に入ってきてほしいか

森満
森満

ちなみになんですけど、どんな人に入ってきてほしいですか?

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下鶴市長

やっぱり、鹿児島市という舞台を使って何か面白いことをやろうと思ってる人に入ってきてほしいですね。

上木
上木

あぁなるほど!

森満
森満

今めちゃくちゃチャンスだよなって思ってるんです。

魅力的な人たちが、地方に目を向け始めていて。

鹿児島にもどんどん魅力的な人が流れてきてる。

だからこそ、人事の部分は本当に攻め時だよなって。

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下鶴市長

そうですよね。

そもそも鹿児島市を利用するっていう価値観で良いと思います。

だって、いち個人だと出来ないようなことも、鹿児島市役所の職員として仕事で関われたりするじゃない?

森満
森満

いやもう本当にそうです!

完全に僕らは、鹿児島市役所の職員という肩書を利用して、今日もこうやって市長に単独インタビュー出来てるわけなので。笑

上木
上木

これからも良い意味で、利用させてもらいます。笑

家族のこと

奥さまとの出会い

森満
森満

少し話は変わりますけど、ここからは『家族のこと』について、お話を伺いたくて。

下鶴市長はご結婚されていると思いますが、奥さまとはどこで出会ったんですか?

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下鶴市長

はいはい。笑

妻とは、共通の知り合いの紹介で出会いましたね。

森満
森満

ほう!

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下鶴市長

県議時代に、弁護士の飲み仲間から、『紹介したい人がいるから一緒に飲まない?』って誘われて。

森満
森満

それって、いつぐらいの話ですか?

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下鶴市長

35歳過ぎだったかなぁ。

当時は議員だったので、支援者の方々からも「そろそろ結婚を考えたら?」って言われたりしてて。

分かってるよ!と思いながら。笑

上木
上木

議員さんって選挙の準備があったり、色々計画的に動かないと難しそうですよね。。

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下鶴市長

ですねぇ。

でも、まぁなかなか思うようにいくわけもなく。笑

妻とはお互いに良いタイミングで出会えたってことだと思います。

上木
上木

なるほど。

ってことは、下鶴さんが県議になった後に知り合った方ってことですね。

下鶴さんがどういう働き方をするか、理解された上で結婚されたと。

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下鶴市長

そうそう。

全部理解してくれた上で結婚してるわけだから、ありがたいなって思ってます。笑

森満
森満

それはもう、奥さまにめっちゃ感謝しましょう。笑

イヤイヤ期のパパ

上木
上木

ちなみに、休日は子どもとどんなことをして遊んでます?

<span class="fz-16px">下鶴市長</span>
下鶴市長

公園に行ったり、絵本を読んだりしてますよ。

森満
森満

今、お子さんは何歳ですか?

<span class="fz-16px">下鶴市長</span>
下鶴市長

上の子が3歳半、下の子が1歳8ヶ月ですね。

森満
森満

僕たちも同じぐらいの子どもがいるんですけど、子どもたちと過ごす中で、もちろん『幸せだなぁ』と感じる瞬間もあれば、逆に『辛いなぁ…しんどいなぁ…』って感じる瞬間もたくさんあって。

その辺はいかがですか?

上木
上木

むしろ、育児って辛い方が多いんですよね…笑

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下鶴市長

大変なこともありますよね。笑

うちもイヤイヤ期ですから。

森満
森満

ですよね!

共感してもらえてうれしいです!笑

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下鶴市長

イヤイヤ期って「あれ買って!これ買って!」のイヤイヤだと思ってたんですけど、そうじゃなくって。

「自分がこれを開けたかったのに!」とか、「こっちの道から行きたかったの!」とかじゃない?

森満
森満

そう!

ほんとにそうです!

上木
上木

イヤイヤ期だと、特に大変じゃありません?

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下鶴市長

大変ですよ!

むしろそっちの方が仕事より大変なぐらい。笑

上木
上木

ですよね!笑

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下鶴市長

仕事で疲れることは、あんまり無いんですよ。

最初からこういうものだと思ってやっているので。

森満
森満

なるほど。

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下鶴市長

ただ、家庭での出来事で疲れることが重なると、きついですよね。

逃げ場が無いから。

森満
森満

まさに。

上木
上木

例えば、育児で大変な時って、奥さまとコミュニケーションを取りながら乗り越えてるんですか?

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下鶴市長

そうですね。

夫婦での話題も子どものことが多いし、子どもを介してコミュニケーションを取ることも多いかなぁ。

上木
上木

うちも全く一緒です。笑

森満
森満

そろそろお時間みたいで、今日は貴重なお時間をいただいて、ほんとにありがとうございました!

また少し時間を空けて、今日聞けなかったことも含めてインタビューの続きをさせてください!

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下鶴市長

どうぞどうぞ!

また申し込んでください!

お疲れさまでした。

上木
上木

ありがとうございました!

初めての市長インタビュー。緊張した…。脇汗びっちょりでした。

まとめー後編ー

市民のためにやるチャレンジなら、全部がリスクは背負う

「チャレンジすると大変そうだから、今のままでいいや…」

でも、本当の、本当の心の奥では、『鹿児島をいい街にしたい!みんなを笑顔にしたい!面白いことをしたい!』と思っていて。

下鶴市長とお話ししていると、心の表面にあるネガティブな部分じゃなくって、その奥にあるポジティブなところに従って生きいいんだと思えます。

そう思えたのは、下鶴市長自身がそう生きいるからだと思います。

『市民のためにやるチャレンジなら、全部私がリスクを背負う』

心の奥のほうが熱くなりました。

また、明日も頑張ろう!

そう思えた貴重な時間に感謝です。

ということで後編では、家族についてのお話や、どんな職員と一緒に働きたいかという踏み込んだ部分についてお話を伺いました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

ではまた次回、お会いしましょう!

前編 「ただ指をくわえて見てるのはカッコ悪すぎる」と思った【市長職について編】

後編 市民のためのチャレンジなら私がリスクを背負う【職員への想い&家族編】

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