【後編】使えない職員なんていない【竹ノ下武宏|鹿児島市役所船舶局】

公務員図鑑

最前線で働く公務員が、日々どんな思いで働いているのかを深堀る『公務員図鑑』

今回のゲストは、鹿児島市役所で船舶運航課長として働く竹ノ下武宏【Takenoshita Takehiro】さんです。

この記事は5分で読めます^^

後編では、課長職の働き方や、一番うれしいと感じる瞬間について、お話を伺いました。

竹ノ下さんの姿をとおして、普段日の目を見ることが少ないけど必死に働いてる公務員の姿を、少しでも身近に感じてもらえると嬉しいです。

<聞き手=押川蓮斗(さくらじま地域おこし協力隊)、山下彰太(株式会社ecommit広報ブランディングマネージャー)、森満 誠也(KagoshimaBase編集者)>

管理職としての顔

部下からの提案はすぐやる

森満
森満

竹ノ下さんは今、課長職じゃないですか?

部下から、『こんなことやりたいんですけど!』っていう提案って、あがってきたりします?

竹ノ下さん
竹ノ下さん

くるよ。

森満
森満

そういう時ってどうしてます?

竹ノ下さん
竹ノ下さん

すぐやる。

森満
森満

!!

竹ノ下さん
竹ノ下さん

だって、現場がそう思ってることはさ、実現するための壁はあるにしても出来るようにしようよって思うよね。

だから職員が言ってきたことは、なんでも否定しないようにしてるよ。

森満
森満

いや…最高です…!

職員がやる気を持つこと自体が大切

竹ノ下さん
竹ノ下さん

例えば、桜島フェリーって経営状況が厳しいから、何かしらの経費を削減しないといけないっていう中で、職員から『こういうことをしたいんです!』って提案されたとして。

森満
森満

うんうん。

竹ノ下さん
竹ノ下さん

前向きな提案であれば、「あ、それよかね!すぐやろう!」って言うのよ。

でも、新しいことをやろうとすると、色々言われることもあるわけ。

森満
森満

今までと違うやり方を提案すると、第三者にできない理由を並べられがちですよね。。笑

竹ノ下さん
竹ノ下さん

でもさ、できない理由ばっかり考えてもしょーがないじゃん?

なるべく取り組みやすい方法を試行錯誤して、できる方法を考えればいいと思うのよ。

行き詰ったら、最後は課長である自分が責任を取る。

それを担保にして、みんなでチャレンジすればいい。

押川さん
押川さん

いやー、、ほんとにそうですよね。。

竹ノ下さん
竹ノ下さん

だからさ、職員が自分で考えて『こうしたい!』と思ったことは、全部やらせるようにしてるよ。

だって、職員がやる気があるっていうこと自体が大切だなって思うからね。

森満
森満

なるほど。

竹ノ下さん
竹ノ下さん

それは仕事に限った話じゃなくてさ、地域づくりでもそうだよね。

あとはまぁ、『なんとかなるでしょ』っていう適当な想いが大事かも。笑

森満
森満

めちゃくちゃ共感します。

竹ノ下さん
竹ノ下さん

一見、『無理そうだな…』って思うようなことでもさ、職員の提案に対して上司がネガティブなことばっかりって言ってもしょーがないじゃん。

前向きな話だったらどんどん聴くし、後ろ向きな話だったら聴かない。笑

押川さん
押川さん

笑笑

竹ノ下さん
竹ノ下さん

そういう前向きな想いが、次の仕事にも繋がっていくと思ってるのよ。

ただ、言いっぱなしの人は許さない。

言った以上は、責任もってせえよと。笑

押川さん
押川さん

いやもうほんとに最高です。

使えない職員なんていない

竹ノ下さん
竹ノ下さん

あと、僕が絶対自信を持ってることがあってね。

森満
森満

何ですか?

竹ノ下さん
竹ノ下さん

周りの評価がイマイチな職員が異動してきても、僕としては全然問題ないのよ。

出来が悪い』みたいな評価を周りからされてる子であっても、僕は絶対に使いこなせる

そこだけは自信がある。

森満
森満

ほぉ!!

竹ノ下さん
竹ノ下さん

年度初めになると、「今度そっちに異動になった○○さんは大丈夫け?」って心配の電話がかかってくることもあるのよ。

「仕事さばけないだろ?」って。

森満
森満

うんうん。

竹ノ下さん
竹ノ下さん

でも、全然大丈夫なのよね。

そりゃ、周りと同じことをさせれば総合的に出来ない職員なのかもしれないけど、その職員にも出来ること、得意なことが絶対あるわけよ。

森満
森満

なるほどなぁ。

竹ノ下さん
竹ノ下さん

例えば、時間をかけてコツコツやるのが得意とか、発想力が豊かとかさ。

出来ないことじゃなくて得意なことに着目すると、逆に組織の中では貴重だよ。

そこをうまく使いこなすことが、自分は得意だと思う。

森満
森満

僕も「みんなと同じことが何でできないんだ」って思われる側の人間なので。。

課長職で、そうとらえてくれる人がいることに、今感激してます。。

すべてが経営者視点

山下さん
山下さん

言ってることが全部経営者視点なんですよ、タケヒロさんは。

たまたま所属が鹿児島市役所だから社長にはなってないけど、やってることは完全に社長業

竹ノ下さん
竹ノ下さん

あぁ…そう言われると、たしかにそうかもね。笑

山下さん
山下さん

最近読んだ本に書いてあったんですけど、経営者に必要なものは、原体験とそこから出てくるビジョンだって。

原体験が超大事だと。

竹ノ下さん
竹ノ下さん

原体験?

山下さん
山下さん

例えば、『大学時代にこういう経験をして、その経験が今の自分の原点だ』みたいな。

サークル活動での経験が原点の人、高校時代の部活が原点の人、○○講座の受講が原点の人などなど、みんなそれぞれあると思う。

竹ノ下さん
竹ノ下さん

なるほど。

山下さん
山下さん

みんな何かしら原体験は持ってると思うけど、その経験をベースに仕事をしてる人はめちゃくちゃ強いんですって。

竹ノ下さん
竹ノ下さん

あぁ、そうかも。

僕の場合は完全に火の島太鼓の活動が原体験だなぁ。

出典:休暇村グループの宿
山下さん
山下さん

そうだと思います。

その経験がタケヒロさんのベースにあるから、軸がぶれないんだと思う。

竹ノ下さん
竹ノ下さん

太鼓の活動をとおして、人とのつながりとか、折衝の仕方とか、社会人として必要なものは全部覚えたもんね。

自分の考えを押し通したい気持ちが無い

押川さん
押川さん

タケヒロさんって、今まで大きな失敗とかしたことないんですか?

竹ノ下さん
竹ノ下さん

うーん、今は失敗を失敗と思わないから、まぁ無いのかもね。笑

押川さん
押川さん

なるほど。笑

竹ノ下さん
竹ノ下さん

とはいえ、若いころは失敗に対していちいち反省してたし、辛かったこともあったかもしれない。

押川さん
押川さん

うんうん。

竹ノ下さん
竹ノ下さん

けど、今は、とりあえず手を付けてみて、『いまいち反応悪いな』と思ったら、すぐに方向を変えるようにしてて。

押川さん
押川さん

それはなぜでしょう?

竹ノ下さん
竹ノ下さん

ニーズがないことをやったって、住民に喜んでもらえないでしょ?

そもそも自分のやりたいことを押し通そうとすると、世間の感覚とズレたりするけど、そんなに押し通したいこともないからさ。笑

押川さん
押川さん

素晴らしいなぁ。。

目の前の一人が喜んでくれることが何より嬉しい

押川さん
押川さん

僕、タケヒロさんと出会って、日常の過ごし方を考えるようになりました。

今、この瞬間を、何のために生きるのか。

『何気なく過ごしてる今って、暇な時間なんじゃないか?もったいない時間の使い方をしてるんじゃないか?』って、タケヒロさんのおかげで考えられるようになったんです。

竹ノ下さん
竹ノ下さん

うんうん。

押川さん
押川さん

自分は、人生の時間を何のためにつかいたいのか。

ぼーっと過ごす時間も好きだけど、意図的に世のため人のために時間を使った方が、人生豊かになるんじゃないかなぁって。

竹ノ下さん
竹ノ下さん

そっちの方が豊かだよね。

人の喜ぶ顔を見るのが、自分は一番うれしいのよ。

押川さん
押川さん

そうなんですよね。

竹ノ下さん
竹ノ下さん

大きな事業をやって、何万人の人が喜んでくれるのも、そりゃあ嬉しいけど。

でも、僕の知らないところで誰かが喜んでくれることも嬉しいよ。

結局は、その積み重ねかもね。

森満
森満

いや、本当でそうですよね…‼

押川さん
押川さん

最初に桜島に着任した時は、『まちづくりを仕事でやるって結構大変だな』って思ってたんですよ。

知り合いもいなかったし。

竹ノ下さん
竹ノ下さん

うんうん。

押川さん
押川さん

でも、タケヒロさんや山下さんと出会えて、志の縁でつながれて、すごく動きやすくなりました。

なにより、タケヒロさんみたいな人が先に走ってくれてて、その後ろ姿を追えることが幸せだなって。

森満
森満

逆に、タケヒロさんとか山下さんみたいな人たちも居ない中で『まちを興せ!』って言われても、無理だよね。笑

押川さん
押川さん

無理ですよそれは。笑

竹ノ下さん
竹ノ下さん

笑笑

今日はとりあえずこんな感じで良かったけ?

森満
森満

十分です!

最高でした!

ありがとうございました!!

まとめー後編ー

出来ないことじゃなくて得意なことに着目すると、逆に組織の中では貴重

これですよ。

こんなことを言ってくれる人が同じ鹿児島市役所の中に、しかも課長職にいたのかと。

記事を書きながら、今も泣きそうです。

それほど、僕を含め多くの組織人に希望を与えてくれる言葉だと思います。

ということで、後編では、課長職の働き方や、一番うれしいと感じる瞬間について、お話を伺いました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

ではまた次回、お会いしましょう!

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