毎年、鹿児島県内の各地で活躍する人材を輩出する「本気の地域づくりプロデューサー養成講座」。
この講座の受講生たちに、定期的にインタビューをして、受講生が年々変化していく様子を応援しようという本企画。
初回のゲストは、社会人ばかりの受講生の中、唯一の学生参加者である塩屋里奈さんです。
後編では、留学中の経験から公務員を目指した理由や、自分の中で大切にしている軸についてお話を伺います。
<聞き手=森満 誠也(KagoshimaBase編集者)>
将来の夢
きっかけはオーストラリア留学

2019年4月からオーストラリアで1年間過ごし、2020年3月に帰国するわけですが、現在は大学に復学してるんですよね?

そうですね。
今は鹿児島大学の3年生として、学生生活を送っています。

毎日忙しいですか?

就活のための試験勉強が忙しいですね。。

試験勉強っていうと、SPIとか?

いや!
公務員試験のための専門学校にも通っていて。
その勉強が大変で。。


公務員を目指してるんですか!?
思いもよらない答えで、かなり驚いてますけど。。
なぜ公務員になろうと?
留学の話等を聞いてると、勝手に公務員志望ではなさそうなイメージを持ってました。笑

公務員を目指すきっかけは、オーストラリア留学での経験ですかね。
オーストラリアに居る時に「ウッ」ってなったことがあって。

「ウッ」ってなったこと、詳しく聞かせてください。笑

最初のホストファミリーと、関係性が上手くいかなかったんです。
最初のタイミングだったから言葉が通じないのもあったし、自分が積極的に話しかけたりできなかったのが原因で。

なるほど。


ホストファミリーの子供たちとは遊んだりしてたんですけど、両親とまともに話すことができなくて。
毎晩、泣いてました。

ずっとオーストラリア留学が夢だった最初のタイミングでその経験をしたのは、なかなか辛い状況でしたね。。

そうなんです。
2ヶ月ぐらい泣いてて。
でも、「これは良くない!」と思って、何でもいいからとりあえず話しかけてみようと思ったんです!

勇気を振り絞ったわけですね。
オーストラリアで鹿児島の魅力に気づかされた

「相手に興味を持ってもらえる話題って何だろう?」と考えた時に、やっぱり私自身のことや、自分の生まれ育った鹿児島のことなんじゃないかと思って!

なるほど!

それで、両親に話しかけるために準備をしたんです。
プレゼン資料を作ったり、言うことも全部英語で準備したりして。
「鹿児島には桜島っていう火山があってね!」
「砂蒸し温泉っていうのがあって、砂で温泉に入れたりするんだよ!」
って。

鹿児島の魅力をホストファミリーにプレゼンしたんですね。
反応はどうでした?

「鹿児島ってすごいね!!」
って言ってもらえて!
心がちょっと通じた気がして。
そのプレゼンをきっかけに、うまくいかなかったホストファミリーとも仲良くなれたんです。
そこで話をした内容は、オーストラリアにいる間、何回も使える場面があって。

素晴らしい。


それで、「あー、自分は鹿児島のことがめちゃくちゃ好きだなぁ」って思って。
鹿児島のことをもっと知りたいし、海外の人にも鹿児島の良さを発信したいって思うようになったんです。
それで公務員になろう!って思いました。

すごい話ですね。。
そんな思いを持って公務員を目指してる人、めちゃくちゃ貴重だから、ぜひ一緒に働きたいです!
ちなみに第一志望は?

迷ってるんですけど、鹿児島県全域をカバーできるっていう意味では、鹿児島県庁に入れたらなって思ってます。
公務員フェスに参加して

少し話は変わるんですけど、今日ずっと聞きたかったことがあって。
先日開催した公務員フェスでの最後の振り返りで、塩屋さんが言ってたことが気になっていて。
「心の中に引っかかっていたモヤモヤが、今日参加する中でスッと取れた気がした」って言ってたと思いますけど、その真意を教えてもらってもいいですか?

あー!言いました!笑
私は大学を休学して留学しているので、他の学生より1年遅れている状況を選んだわけですよ。
それなのに、言ってしまったら勉強によって採用される公務員を目指すことへのモヤモヤがずっとあって。
留学せずに勉強をしていた方がよかったんじゃないかって。

なるほど。。

ただ、先日参加した公務員フェスで、2人の現役公務員に今の話を相談したら、「語学力めっちゃ武器じゃん!」って言ってもらえて。
「自治体には国際交流課とか観光課、海外への派遣制度もあるから、その留学の経験は絶対活きるよ!」って、現役公務員の方から言ってもらえたことが、めちゃくちゃ嬉しかったんです。


普段、気軽に悩みを相談できる大人って、なかなか近くに居ないですしね。

「私の留学した1年間は、無駄じゃなかったんだ!」って思えて。
それで、胸のモヤモヤが取れたっていう言葉が出てきたんだと思います。

採用試験の面接を受ける時でも、「英検2級持ってます!」っていう話と、1年間の留学経験を経て感じたことの話では、説得力が全然違うと思います。
地域づくりプロデューサー養成講座について
受講のきっかけ

またまた話は変わりますが、現在、鹿児島県主催の「本気の地域づくりプロデューサー養成講座」を受講していると思います。
なぜ受講しようと思ったのか、そのきっかけを教えていただいてもいいですか?

昨年、学生でこの講座に参加していた友人から紹介してもらって。
面白そうだなと思って応募しました。

学生と地域づくりって、あまりリンクしないイメージですけど、公務員になろうっていう思いと地域づくりがリンクしてた感じですか?

いや!
そこはあまり関係なくて。
純粋に地域づくりに興味があったし、面白そう!って思ったんですよね。
唯一の学生参加者であることは私の武器

大学生で地域づくりに興味があったっていう事実に驚愕してます。笑
実際に参加してみて、どうですか?

大学生の友人から紹介してもらったこともあり、参加者も学生ばかりなんだろうなと思ってたんです。
講座のほとんどがZOOMだっていうこともあったし。
そんな中、講座の初回を迎えて、ZOOMログインした時、参加者が大人ばかりで。
え!学生一人!?ってなりました。笑


なるほど。笑

今となっては、大人ばかりの中で1人だけ学生であることは、武器だなと思えるようになりましたけどね。笑
海外と鹿児島を結ぶ小さな一歩にしたい

間違いないです。
武器でしかないと思います。
地域づくりに興味があったとのことですが、「具体的にこんなことしたい!」みたいな思いがありますか?

公務員を目指し始めた理由のところでも話をしたのですが、鹿児島の魅力を海外に発信したいっていう夢があるんです。
この講座に参加することは、その夢への第一歩だなと思ってます。

なるほど。


海外に発信するっていう夢が、どこまで出来るのか分からないですけどね。
小さくても良いから、夢を実現させるために、つなげる一歩にしたいんです。

しっかりしてますね。。笑
この講座自体、2020年10月からスタートしてますが、受けてみて、ぶっちゃけどうですか?

自分自身と向き合う時間が多いのが新鮮で。
自分を深ぼる経験が初めてだったので、面白かったです!

なるほど。
こうやって塩屋さん自身がやりたいことを言語化できてるのも、自分と向き合った成果がしっかり出てると思います。
塩屋さん自身の話
なんとかなるを大切に

最後に、塩屋さん自身の話を少し深掘って聞きたくて。
生きる上で大切にしている軸みたいなものがあれば、教えてもらえますか?

うーーん。。
なんですかね。。
まぁ強いて言うなら、「なんとかなる」っていう言葉ですかね。

なんとかなる?

いつも「なんとかなるなぁ」って思ってます。
崖っぷちの危機的な状況でも、しっかり頑張ってもがけば「なんとかなる!」って。

オーストラリア留学のホストファミリーの話を聞いた後だからこそ、「なんとかなる」という言葉に深みを感じます。

ありがとうございます。笑
弱みをさらけ出せるという強さ

このインタビューをする上で、どうしても塩屋さんに伝えたいと思ったことがあって。
僕自身、この講座にスタッフの立場で関わらせもらってて、エントリーシートを見させてもらったんです。
塩屋さんの記入項目を見ると、地域づくりに興味はあるものの、めちゃくちゃ不安なんです!!っていう思いがビンビン伝わってきて。
「何から手をつければいいのかわからないんです!!」みたいな。笑

恥ずかしい。。笑

でも、「私めっちゃ不安なんです!」っていう自分自身の弱みをさらけ出せるのって、すごく塩屋さんの強みだなと思って。

いやー。。笑

いやっ!笑
大人になればなるほど、自身の弱みとか感情を素直に伝えられる人って少ないから。
その上で、この人のために何かしてあげたいと思わせる、愛され力が高いよなぁと思ってます。

いやいや、そうですかね。。笑

周りの人から好きでいてもらえた方が、ぶっちゃけ特じゃないですか。笑
だから、今の愛され力を保ったまま大人になってほしいなぁって言うことを伝えたくて。
ということで、本日はありがとうございました!

こちらこそ、ありがとうございました!

まとめー後編ー
オーストラリアでの留学中に、生まれ育った鹿児島の魅力に気づいたという塩屋さん。
鹿児島の魅力を世界中の人に知ってもらいたいから公務員として働きたいと、目を輝かせて言う彼女の姿に、めちゃくちゃ背筋が伸びました。
こういう真っ直ぐで熱い思いを持った人が鹿児島のために働いてくれたら、もっと鹿児島は面白くなると、そんな期待を抱かせてくれるインタビューでした。
ということで、最後までお付き合いいただきありがとうございました!
じゃ、また次回!
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