子育て真っ只中のパパやママが、子どもとどんな毎日を過ごし、何を考え、どんな思いを抱いているかを深掘りする本企画。
初回のゲストは、いちき串木野市に住む石神さんファミリーです。
第1話では、子育てに全く関与しないモラ夫だったパパが、家事育児の戦力に変化した過程について、じっくりとお話を伺いました。
<聞き手=上木寿人(KagoshimaBase編集者)、森満 誠也(KagoshimaBase取材者)>
石神夫婦のプロフィール
石神家は、石神大士さん(パパ)と、石神華英(はなえ)さん(ママ)、中2娘、小6娘、小4娘、小1息子、年少小娘の7人家族。
大士さんは、大学卒業後ゼネコンへ就職。
転勤族として日本各地を転々としながら、朝から晩まで子どもに会う時間をほとんど確保できない状態で働き続ける毎日に疑問を持ち、地元であるいちき串木野市へ市役所職員(土木職)として転職。
1-3人目の子ども達の子育てに参加できなかったことを取り返すべく、現在は仕事以上に家事育児へ奮闘する。
華英さんは、自宅の1階を改装し、ピラティス教室やキッズダンススタジオ、イベントスペースの運営を行う。
また、手形アート講師やピラティスのインストラクター、キッズダンス講師、femstyleの代表など、多方面で活躍している。
若くで結婚&出産後、見ず知らずの土地で子育てをしながら感じた孤独感をきっかけに、少しでもママやママの周りを笑顔にできればと日々奮闘中。
子どもが5人いる7人家族
はじめまして!
今日はお二人からお話聞かせてもらうのを楽しみに来ました!
こちろこそよろしくお願いします。
SNSを拝見してて、家族全員すごく仲がよい印象なんです。
我が家のモットーも『家族が仲良く』なので、これから家族を運営していく上で、少しでもヒントがもらえたらなぁと思って、お話伺いに来ました。笑
何か参考になる話ができるかなぁ..苦笑
そのままの飾らない感じで、思ったままにお話いただけたら嬉しいです。笑
早速ですが、お子さん5人いらっしゃったと思うんですが、何歳でしたっけ?
上から、中2(女)、小6(女)、小4(女)、小1(男)、年少小(女)です!
すごい!
女の子が強い!笑
実は、うちも今年5人目が生まれるんですよ。
周りに5人子どもがいる友人が皆無で、相談できる人がいなかったので、なおさら会いたくて!
おー!!!
すごい!!!
おめでとうございます。
実は僕も5人兄弟なんです。笑
すごい!!!
実はうちの妻は7人姉妹なんです。笑
えー!!!
すごい!!!!
余計なお世話
だから、森満君が5人目って聞いてもあまり驚かなったんです。
「はいはいはい」って感じで。笑
逆にそれが嬉しいんですよ。
5人目妊娠の報告をすると、
5人目!?がんばるねぇ!お金大丈夫?(ニヤニヤ)
みたいなことしか言われなかったので。
あー、分かります。
「お金の心配してくれなくても、こっちで考えてるわ!」って思いますよね。
「あなた関係ないじゃん」って。
そうなんですよ!泣
うちは5人兄妹と7人姉妹の夫婦なんですけど、子ども2人なので、逆に「えっ、2人しかいないんなんですか?」って言われるんです。
なるほど。笑
余計なお世話っていう観点でいうと、一緒ですよね。
あなたに関係ないじゃんっていう。
『子どもができることが当たり前と思うなよ!』と思いますよね。
「ご飯なんて1食食べなくても死なないんだよ!」って言われて
石神家では、家事や育児はどんな感じで運用してるんですか?
2人で分担した上で、子どもたちにも手伝ってもらいながらやってます。
共通認識としては『無理をしない』ですかね。
でも、無理しちゃうんですよね。笑
分かります。
たまに変なスイッチ入って、無性にコンロ周りの掃除始めちゃったりするんですよね。
それで疲弊するという。。
手抜き上手なんですよ、私。笑
『これ以上やっちゃうと精神的にヤバいから、今日はここまでで止めよう』みたいな。
なるほど。
逆に旦那は『精神的にヤバい!』ってなった瞬間に、『もっとやらないといけない!』ってなっちゃうんですよ。
僕の中に昭和の体育会系が残ってて。笑
笑笑
でも多分これって、一般的な男女関係と逆な気がしていて。
お母さんの方が『今やらないと私が後でやらないといけないから、今やらなければ!』ってなると思うんですけど、うちは旦那がそうなるんです!
妻から「ご飯なんて1食食べなくても死なないんだよ!」って言われた時は、すごく衝撃的でした。
なるほど。笑
言われた時、「たしかにそうだな!」と思って。
『すごいかっこいいなぁ』って思いましたもん。
性格が真逆なんです。笑
昔は「モラ夫」だった
少し話が変わりますけど、お二人の出会いから遡って伺いたくて。
そもそも華英さんって出身はどちらでしたっけ?
宮崎です。
だいしさんはいちき串木野市出身ですよね?
はい、大学で宮崎に行って。
そこで妻に出会いましたね。
じゃあ大学卒業されて、いちき串木野市役所に?
いやっ、最初はゼネコンで働いてました。
社会人1年目で結婚したんですけど、ゼネコン時代は転勤族だったんですよ。
あの、最初のスタートが『できちゃった結婚』だったんですよ。
なるほど!
ご結婚された時って何歳ぐらい?
旦那が24歳、私が20歳でした。
20歳で出産して、旦那は就職1年目で大変ですし、妊娠中から生まれて3か月ぐらいまでは離れて暮らしていましたね。
だから最初の出産の時は立ち会ってないんです。
なるほど。
ちなみにゼネコンで働いてた頃って、どこに住んでたんですか?
こっち帰って来るまで福山、広島、山梨、東京と1~2年スパンで転勤していました。
森満さんも建築技師だからなんとなく分かると思うんですけど、ゼネコンの仕事ってめちゃくちゃ忙しいじゃないですか?
朝6時に家を出て、帰って来るのは0時過ぎっていう生活でした。
いやぁ..すごいですね..
じゃあ、今のように『協力して子育てする』みたいな感じではなかったわけですね?
違いましたね。
泣きながら育児してました。
会う時間がほとんどないんですよ。
だから、家で何してるかとか全く分からない状況でした。
毎日帰ってきてるのに、子どもが起きてる時間に家に居ないいので、子どもから「パパいつ帰って来るの?」って聞かれてたもんね。笑
今でいう「モラ夫」ですよね。
単位落として5回目の再履修しているようなもの
そういう生活から、鹿児島に帰ってくるきっかけが何かあったんですか?
仕事がきつかったのもあるんですけど、家族と会う時間もないし、何のために生きてるんだろうってふと思って。
『給料は良いけど、このままこの生活を続けていくのはどうなんだろう..?』と。
そんな時にたまたま姉の結婚式があって、調べたら結婚式の次の日がいちき串木野市役所の試験日だったんですよ。
いいきっかけだし、「じゃあとりあえず受けてみようよ!」って。
旦那の両親にも「だいしさん仕事きつそうで、このままでは共倒れしちゃいます。泣」っていう話はしてたんですよ。
裏での根回しはしてたわけですね。笑
そしたら、受かっちゃって。笑
それが30歳になった時でした。
そしたら、そこからギャップがすごかったですね。。
ギャップ?
ゼネコンで働いてた6年間、全く子育てをしてこなかったので。
家族とほとんど顔を合わせる時間が取れなかった生活から、家族と過ごす時間をしっかり確保できるよう生活に大きく変化したんです。
最初は子供たちとどう接すればいいか分からないみたいな状況になってました。苦笑
なるほど..!!
実際に私が子育てと向き合えたのって、4人目からなんです。
4人目が産まれた時に、初めてちゃんと子育てと向き合ったっていう。
正直に話してくれて、気持ち良いです。笑
ただ、華英さん、その生活の中よく1人で3人育てましたよ。
本当にすごい。
子どもが5人いるって聞くと、最初から育児最前線にいるような印象を受けますけど、そうではないってことですよね?
そうなんです。
僕、子どもは5人いるんですけど、最初から育児に積極的に参加していたわけではないんです。
全然違うんですよ。
逆に今ので興味がめちゃくちゃ沸いてきました。
そのパターンもあるのか!と。笑
人ってそれぞれ得意&不得意があるじゃないですか?
旦那は、子どもをみるのはそんなに得意じゃない感じだったんです。
なるほど。
だから旦那には『ごはん作ってくれたらそれでいいよ』って言ってて。
「パパのご飯美味しいよね!」「パパがご飯作ってくれるといいね!」って子ども達と一緒に伝えて、少しずつ家事メンにしていきました。
5人が子どもいるパパだけど『子どもの相手するのが得意じゃない』って、めちゃめちゃ面白いですね。笑
それもまた少しずつ変わってきてて。
5人目が生まれたのが転機で、5人目からはちゃんとみれるようになりました。
分かる気がします。笑
特に末っ子が可愛いんですよね!
5人目でようやく戦力になってきたと思ってます。
ようやく。笑
そういうのをフラットに言い合える夫婦関係が最高だなって思います。
上の子達(お姉ちゃん)の存在もすごく大きくて。
言葉が通じるので、家事育児の分担がうまくできるようになったんです。
ママの私が、外で宿泊できるような状態になったんですよ!
自分でご飯も作れて、子ども達の面倒もみれるようになったので、旦那に子どもたちを任せて、資格を取りにいったり勉強したり出来るようになりました。
たくさん子育てしてるからって言って、最初から何でもできたわけではないんですもんね。
『5人目で子育てがしっくりくるようになった』って、本当にそうだよなって思いました。
また、それを正直に言ってくれるのがうれしいですよね。
素晴らしい奥さんがいるから、こうやって言えるんですよね。
今まで出来なかった分を取り返しに行ってる感じですね。
単位落とし続けて、5回目の再履修しているようなもんです。
なるほど。
今、すごく育児が楽しいんですよ。
5人目ですけど、4人目からカウント始めると2回目の育児のようなものなので。
4人目の育児で学んだことを5人目の育児に活かせてる感覚といいますか。
子育てって、1回経験すれば理解できることがあって、柔軟に対応できることもたくさんあるあるじゃないですか?
間違いないです。
違いますよね、見える景色が。
かなり劣等生だと思いますけど。苦笑
まとめー第1話ー
単位落として5回目の再履修しているようなもんです
5児のパパと聞き、とんでもない『スーパーお父さん』が登場すると予想して取材を始めた今回のインタビュー。
ただ登場したパパは自分の事を「モラ夫だった」と言い、「5人目からはちゃんと見れるようになりました」と語り、完全に予想と逆の展開に。
でも、そうですよね。
子育てをしていく中で、色々は気づき、変化があり、少しずつ一人前のパパに成長していく。
最初から完璧に育児ができる人なんていないですもん。
その過程を自分の言葉でありのまま伝えることのできるだいしさんは、素晴らしいパパだと感じました。
そのパパを子育て1軍まで育て上げた華英さんのマネージメント能力はさらに凄い!
そう感じた今回のインタビューでした。
ということで今回は、子育てに全く関与しないモラ夫だったパパが、家事育児の戦力に変化した過程について、お話を伺いました。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
また次回、お会いしましょう!!
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