最前線で働く公務員が、日々何を思い、働いているのかを深堀る『公務員図鑑』
鹿児島県庁への採用が内定してる鹿児島大学4年生の中俣智貴さんに、前編では公務員になることへの思いをお聞きしました。
後編では、学生時代に何をしてきたのか、思い描くキャリア像などについて、お話を伺います。
<聞き手=森満 誠也(KagoshimaBase編集者)>
大学時代のこと
ターニングポイントは市議会議員へのインターンシップ
大学時代を振り返って、記憶に残ってる思い出は何ですか?
いわゆる地域づくりみたいなものに興味を持った原点がありまして。
それが、大学1年生の時に参加した、市議会議員へのインターンシップでした。
市議会議員のところにインターンシップに行ったんですね。
友達から誘われて参加したんです。
そのインターンシップの中で、政策立案に関するワークショップがあって。
鹿児島をどうすればもっと盛り上げられるか、政策を考えて、皆の前で発表する場があったんです。
それは…ハードル高いですね…
でも、企画を練る工程がめちゃくちゃ楽しくて!
その政策を考える過程にどハマリしました。
なるほど。
そこで企画を考えることが大好きな自分に気づいたんです。
考えて考えて、これだ!っていう企画ができて。
発表のあと、投票で順位が決められたんですが、絶対優勝すると思ってたのに2番だったんです。
それが悔しくて…
そこまで考え抜いた企画、あとでこっそり教えてほしい。。笑
めちゃくちゃ自信あったんですけどね…
優勝はできなかったんですけど、ここで得たものは大きくて。
地域づくりの分野や、企画といものに興味を持つ大きなきっかけになりました。
間違いなくターニングポイントだったと思います。
企画力を認められて参画した学生団体
YOUTH SENSE(学生団体)にも所属していたという話を聞いた気がするのですが、詳しく教えていただいてもいいですか?
そうですね。
それこそ、先ほどの市議会議員へのインターンシップでお世話になった先輩が、鹿児島を盛り上げるために学生団体を作ろうとしていて。
それがYOUTH SENSE(ユースセンス)でした。
立ち上げ初期の段階で、企画担当として入ってくれないかと、声をかけてもらったんです。
YOUTH SENSEとは
合同会社YOUTH SENSE は、「夢追い人で溢れる鹿児島を創る」をビジョンに、 鹿児島の大学生が運営している団体です。
私たちの考える夢追い人とは「未来に対してわくわくしている人」です。 社会が夢追い人で溢れたとき、その街は希望に溢れ、活気溢れる素敵な空間になります。 私たちはそのような社会をみたいです。
私たちはたくさんの夢追い人と繋がり、 これから夢追い人となっていく人々とともに鹿児島に革命を起こし続けます。
公式HP:https://youthsense-coffee.com/より抜粋
やりたいことが、求められることに変わった瞬間ですね。
YOUTHでは具体的にどんなことをやっていたのですか?
YOUTHの企画部門で、イベントだったり新商品のアイデアを出してました!
他の学生のレベルが高すぎて、団体の成長のために貢献できたかはあまり自信ないですが。。笑
新商品のアイデア!
普通に大学生活を送っていると、なかなか携われない経験かも。
そんな中で、YOUTHは民間企業との結びつきを強くしていって。
そこに少しモヤモヤしてる自分がいました。
自分がやりたいことは、民間側というより行政側で鹿児島を盛り上げることなんじゃないかと。
それでYOUTHは抜けさせてもらったんです。
その後、地域づくりプロデューサー養成講座を受講したり、公務員フェスを開催したりと、行政側目線で活動の幅を広げていきました。
YOUTHに在籍していたことで、最も良かったなと思うことはどんなポイントですか?
めちゃくちゃアクティブな学生たちと出会えたことですかね。
今まで触れたことのない、学生の新たな一面を見れた気がします!
大学生は特に、コミュニティが偏りがちですもんね。
そういう意味では、学部や部活、アルバイト以外に、学生団体に所属して違うコミュニティを持つことは、メリットとして大きいかも。
『シチョー』というあだ名への思い
以前から気になっていたのですが、『シチョー』というニックネーム、めちゃくちゃインパクトありますよね!
なぜシチョーと名乗り始めたんですか?
最初は、YOUTHに所属していた時に名乗り始めたんです。
将来市長になって鹿児島を盛り上げたい!っていう思いからですね。
名乗ることに、少し恥ずかしさもありながら。笑
なるほど。
本格的に名乗り始めたのは、地域づくりプロデューサー養成講座を受講した時からです。
参加した当時は、ほかの受講生が大人ばかりで、僕が一番年下でした。
そんな中シチョーって名乗ることで、年齢とのギャップから覚えてもらえやすいんじゃないかと。
学生がシチョーって呼んでください!って名乗ったら、めちゃくちゃインパクトありますよね。
なんでシチョーなの?っていう、話すきっかけにもなる。
将来像について
市長になることはあくまで手段
将来は市長になりたいということでしたが、市長になりたいと思ったきっかけはありますか?
そもそも市長になりたいと思ったのは、鹿児島市というエリアで、熱量を注げば注ぎ込むほど、成果が出やすいのが市長かなと思ったんです。
なるほど。
ただ、いろいろな大人の方々と関わる中で、鹿児島を盛り上げるためには必ずしも市長という選択じゃなくても良いんじゃないかと思い始めました。
それはなぜ?
市長にならなくても、できることはたくさんあると気づいたんです。
市長になるということは、手段のひとつでしかなくて。
あくまでやりたいことは『鹿児島を盛り上げたい』ということで、こっちが目的だよなって考えた時に、別に市長にならなくてもやれることはいっぱいあるなと思って。
市長になることが目的じゃなく手段なんだと気づけることって、すごく本質的な部分だし、学生のうちにそこに気づけるのってすごいなと思います。
だからこそ迷ってます。笑
市長になるだけがゴールじゃないなって。
鹿児島県内各地で働きたい
来年から鹿児島県庁で働き始めるわけですが、思い描くキャリア像はありますか?
鹿児島県内のいろいろな地域で働きたいという思いが強いです。
ずっと鹿児島市で育っていたということもあって、色々な土地で色々な経験をしたい。
それもなかなか珍しいと思います。
僕も含めて公務員になる人は、地元から出たくないって人が多いと思うので。
色々見て、経験して、分かった上で市長にならないと、大好きな鹿児島がおかしなことになってしまうなぁと。
そこは律儀なんですね。笑
本当に鹿児島を思うのであれば、ある程度しっかり堅実さも持たないといけないなぁと思っていて。
今まで先輩方が積み上げてきた、僕の大好きな鹿児島を壊したくないので。
最高ですね。
ほかに公務員として働く上で、大切にしたいことはありますか?
ずっと今の熱い気持ちを忘れずに働きたいです。
この気持ちを持ち続けるためにも、シチョーというあだ名でやっていきたいです。
≪公務員=面白そう≫っていう未来をつくる
最後に、『鹿児島がもっとこうなったら楽しいのにな』と思う部分はありますか?
公務員志望の学生団体がないのは残念だなと感じてます。
面白い視点ですね!
今鹿児島にある学生団体は、ほとんど全て民間企業との結びつきが強いなぁと感じていて。
学生団体に所属してる時点で、意識が高い学生が多いわけで。
だからこそ、本当に地域を盛り上げようと思えば、公務員志望の学生団体も必要だと感じています。
意識の高い学生の選択肢のひとつとして、民間だけじゃなく公務員も入ってきてほしいってことですね。
そうなんです。
今の学生団体に所属してるような周りの学生に、『公務員になるんだー』って言った時、「え?なんで?絶対民間企業のほうがいいよ!」って言われるのが悔しくて。
なるほど…
ただ、現状だと公務員=楽しいっていうイメージがないですもんね。
確かに民間の方が楽しいよっていう気持ちもわかるもんなぁ。。
そうなんですよ。
少なくとも公務員になるって言った時に「え?なんで?」って言われないような未来を作りたい。
民間企業も公務員もどっちも面白いけど、僕は民間、私は公務員って選ばれるような未来がくるように、頑張っていきたいです。
最高すぎますね…‼
その一環というか、火種になればいいなと思って、学生と公務員をつなぐ場としての公務員フェスの開催は続けていきたいですね。
公務員も面白そうだぞって思ってくれる学生が増えれば、鹿児島はもっともっと面白くなっていくと思うんで。
一緒にいろいろ仕掛けていきましょうね!
本日はありがとうございました!
こちらこそ、ありがとうございました!
まとめー後編ー
民間企業も公務員もどっちも面白いけど、僕は民間、私は公務員って選ばれるような未来がくるように、頑張っていきたい
この言葉が、深く心に刺さっています。
言葉の端々に『鹿児島が好き』という思いがにじみ出てて、熱さもありながら、冷静さも持ち合わせているところが、すごいなぁと感じました。
こんなに熱い思いをもった学生が公務員を選択して、鹿児島のために働いてくれることは大きな利益だし、県庁職員として働き始めてから潰されないよう、同じ思いを持つ大人が近くでサポートしていく必要があります。
とにかく、勇気と頑張る意欲をもらえた、そんなインタビューでした!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
また次回!
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