最前線で働く公務員が、日々どんな思いで働いているのかを深堀る『公務員図鑑』
今回のゲストは、大崎町役場で働く宮下功大さんです。
後編では、宮下さんが仕事としてどのような業務をしているのか、じっくりお話を伺いました。
宮下さんの姿をとおして、普段日の目を見ることが少ないけど必死に働いてる公務員の姿を、少しでも身近に感じてもらえると嬉しいです。
<聞き手=上木寿人(KagoshimaBase編集者)、森満 誠也(KagoshimaBase取材者)>
実行主体の官民連携プラットフォーム
先ほどの話の中で、仕事として『SDGs』に関わっているとおっしゃっていましたけど、どんなことをしているのか、詳しく教えてもらってもいいですか?
大崎町では、一般社団法人大崎町SDGS推進協議会という組織をつくっていまして。
ほうほう。
そこの事務局をしている合作株式会社という企業があるんですけど、その代表の齊藤智彦さんが面白い方なんですよ。
3年以上前から大崎町で地道に活動してこられていて、ようやく官民連携のプラットホームである協議会が出来上がってきて。
会社のHP見たんですけど、合作株式会社、めちゃくちゃ面白そうな会社ですよね…‼
協議会には他にどんなメンバーがいらっしゃるんですか?
株式会社南日本放送、鹿児島相互信用金庫、株式会社そらのまち、合作株式会社、有限会社そおリサイクルセンター、大崎町役場で協議会を構成してます。
全部イケてる会社…‼
そうなんですよ!
しかも、協議会と言ってもただ協議する場ではなく、協議会自体が実行の主体となっていて。
役場じゃなかなか動きづらいところも、民間からのアプローチで資金調達とかも含めて民間の良いところ活かしつつ、行政もしっかり入ってやっていこうっていうスタンスなんですよ。
おもしろい‼
なんですよ‼
合作株式会社の齊藤さんは、もともと総務省の『地域おこし企業人プログラム』を活用して、民間企業から大崎町役場に出向で来てくださっていて。
大崎町役場で政策補佐監としてSDGs関連事業等に関わっていただいた後、大崎町で合作株式会社を起業されたんです。
すごいなぁ。
官と民のコーディネート
官民連携で進めているんですけど、正直、企業視点の合理性と行政視点の合理性って、結構違いませんか?
そこの違いはかなり感じます。
ゴールは一緒なのにアプローチが違いすぎるから、行政と民間の間で翻訳できる人がめっちゃ必要ですよね。
そうなんです。
おっしゃるとおり、そこを繋ぐ役割が必要で。
それを合作株式会社が担ってくれています。
合作という名前のとおり、民と官をコーディネートする担い手になってくれていて。
それだけで、一気にモノゴトが前に進みますよね。
齊藤さんをはじめ、合作株式会社の皆さんとは毎日のように連絡を取ってるんですけど、それが楽しいですね。
日々、新しいことや新しい知識が入ってくるので、すごく刺激的です。
企業の強みと行政の強みを活かした合わせ技
具体的には、どんなことを一緒に進めているんですか?
大崎町SDGs推進協議会は企業版ふるさと納税を財源にしてるため、民間企業の方々に対し、大崎町の取組や目指す未来について、合作のメンバーと一緒に営業したりしてます。
なるほど。
今の時代、民間企業の方々は、株主等の投資家からSDGsについて色々言われるようになってきてて。
そういった企業の実情について、行政としては中々理解するのが難しくてですね…。
そこの肌感は、行政で働いてるとなかなか分からない部分ですよね。
そうなんですよ。
その一方で、地域の実情については行政に強みがあるので、その合わせ技で話を進めていったりしています。
民間企業と行政、それぞれの強みを活かせるチームになっているわけですね。
ですね。
ありがたいことに、様々な企業の方々からお話も頂くこともあるんです。
ただ、一緒に事業をするとなると、どういう風に利害を一致させ、共同でプロジェクトを構築するのかとか、そのプロジェクトのマネジメントをどうするのかとか、そういったスキルやノウハウが必要だと感じますね。
なるほどなぁ。
そういった中で、合作の皆さんに翻訳作業をしていただいてるのだなと。
時には事業をストップしたり、連携に至らない場合もある訳で。
うんうん。
『止めること』って、言葉にすると簡単に見えるんですけど、でもその判断ってなかなか難しかったりしますよね。
そういった意味で見ても、連携している意味はすごくあるなと感じています。
真面目そうに見られるのがコンプレックス
今までの話を聴いて、どれだけ宮下さんがやり甲斐を持って仕事をしてるのか、十分理解出来ました。
少し話を変えて、ここからは宮下さん個人の話をもう少し深堀りしたいのですが…
実は…
僕、コンプレックスがあって。
ほぉ…
コンプレックス?
僕って真面目に見られがちなんですよね。
眼鏡かけてるし。
(メガネ…)
しかも、高校→大学→役場って、ストレートの最短コースで進んでて。
誰も文句がつけようのないぐらいの、優等生経歴ですよね。笑
そうなんですよ…
ただ、なんというか、それもコンプレックスで。
だからこそ、色々経験しないとダメだよなって思っているんです。
眼鏡かけてるから真面目そうに見られるって、なんていうか…昭和感。笑
だからこそ、JICAで海外に行きたいと思ってたんですけどね…
ただ、じいちゃんが怖かったからやめたんですよね。笑
…そうですね。笑
じいちゃんから、命がけで阻止されて。笑
はい。笑
真面目さを振り払うためのパッション男子
真面目そうに見られるのがイヤで、あえて変装をしてふざけてみたりして。
コロナ前ですけど、飲み会の時は『パッション男子』っていうコスプレをして参加してました。
パッション男子?
KKBのふるさとCM大賞で最優秀賞を頂いたんですけど、授賞式の時に、どう目立とうかって話をしていたんです。
で、色々考えた結果、大崎町はパッションフルーツの生産量日本一(農協単位)なので、全身タイツで『パッション男子』になろうって。
(真面目さがおかしな方向に向かってるなぁ…)
なので、飲み会の時はパッション男子になって、即興で芸を披露したり。
大体、出オチですが…。
出オチ。笑
そこに関しては、じいちゃんは怒ってないんですかね?笑
笑笑
宮下さん、まだまだ面白い話がたくさんありそうなので、また話聴かせてください!
今日はありがとうございました!!
とりとめもない話をたくさんしてしまったけど…大丈夫ですかね?汗
こちらこそ、ありがとうございました!
また遊びにいらしてください!!
まとめー後編ー
真面目そうに見える人間に真面目な人はいない
眼鏡をかけていて、高校→大学→役場と、真直ぐ最短コースで歩んできた宮下さん。
確かに真面目そう。
ある意味、公務員らしい公務員。
仕事の話をしている時も、常に的確で、毎日仕事をきっちりこなす公務員そのもの。
でも、仕事以外のことを話してみると、おもしろい話が出てくる、出てくる。
(記事にしきれなかったおもしろい話が他にもたくさんありました!)
『見た目や仕事の時の真面目な姿と、ふざけた話をしている時のふり幅』が宮下さんの最大の魅力だと思いました。
これは、みんなから愛されるわ!
そう感じた今回のインタビューでした。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
では、また次回お会いしましょう!
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