公務員を辞めて、民間企業で働き始めた人やフリーランスになった人。
民間企業を辞めて、公務員になった人。
やりたいこと、夢をかなえるために、新たな道へ踏み出した『元』公務員や『現』公務員に密着します。
今回は、大学卒業とともに株式会社ニッスイへ就職し、4年間勤めた後に志布志市役所へJターンをした、原元祐太さんの中編です。
今回は、転職する際の動き方に関するお話を中心に伺いました。
原元さんの姿をとおして、働き方で迷ってる人や悩んでる人のモヤモヤが、少しでも晴れてくれれば嬉しいです。
<聞き手=上木寿人(KagoshimaBase編集者)、森満 誠也(KagoshimaBase取材者)>
東京での暮らし
ニッスイに就職してからは東京に住んでましたか?
そうですね。
職場は新橋で、大井町に住んでました。
それまで生活してきた山口、福岡、鹿児島と比べると、東京ってずば抜けて都会じゃないですか?
実際に住んでみて、東京はどうでしたか?
最初はすごく楽しかったですよ!
ただ、ありがちですけど、ずっと住むところではないなって感じてましたね。
やっぱりそうなんですね。笑
東京には何年居たんですか?
4年間居ました。
ニッスイでの仕事は大変だった
ちなみにニッスイではどんな仕事を?
営業職でした。
業務用冷凍食品を売る仕事をしてましたね。
仕事はどうでしたか?
..めっちゃ大変でしたね。苦笑
ですよね。。
営業職ってだけで『大変そう..』って思っちゃいますもん。
特に入社してからの1年半は、全然仕事に慣れることができなくて。。
美弥さんは、当時大変だって言う話も聞いてましたか?
聞いてました。
普段、感情をそんなに表に出さない人なんですけど、1回本気で泣きながら電話がかかってきたことがあって。
あったね。笑
やばいじゃないですか!笑
配属されて1ヶ月ぐらいのタイミングだったんですけど、その時は精神的にいっぱいいっぱいだったことを覚えてます。
道端の茂みに顔突っ込んで、泣きながら電話しましたね。笑
24時間365日仕事が頭から離れない
勝手なイメージなんですけど、営業職ってかなり給料良さそうって思っちゃうんですが..給料はどんな感じでした?
毎月の手取り額はそんなにもらえてたわけじゃなかったですけど、ボーナスが良かったと思います。
当時、周りの同級生よりは多少良かったんじゃないかな。
給料で選んで入ってるわけだから、そりゃもらえないとやってられないですよね。
たしかに。笑
ただ、その代わりめちゃくちゃハードワークでしたね。
休みもあるんですけど、仕事のことで一年中頭がいっぱいだった気がします。
ほぉ..
すご..
そこまで仕事のことを考えたことが、僕らには無いですよね。。笑
考えられないし、考えたくもないね。笑
結果を出せないまま辞めるのだけは嫌だった
笑笑
結果的に4年でニッスイを辞めたんですけど、自分の中で結果を出せないまま辞めるのだけは嫌だったんですよ。
いやー、僕だったら仕事で頭いっぱいになっちゃう生活、1週間で頭おかしくなっちゃいますけどね。。苦笑
なので、「絶対自分自身に負けないぞ!」と思いながら仕事してた気がします。
最初の2年間はしんどいこともあったんですけど、3年目である程度仕事が出来るようになってきて。
4年目には少しずつ結果も出せるようになった。
すごい!
そんな状況で転職したので、「俺は前に進むために転職したんだ!」って、今は思えてるんです。
逆にそう思えてなかったら、辞めようと思えなかったかもしれない。
すごいなぁ。
転職活動を始めたきっかけ
ここからは転職の話を伺いたくて。
4年でニッスイを辞めて志布志市役所へ転職したというお話がありましたけど、転職活動を始めたきっかけみたいな部分を聞かせてもらえますか?
ニッスイに入社して2年目ぐらいからかなぁ、『ずっとこの生活を続けるのは無理だな』って思い始めて。
そりゃそうですよ!笑
というのも、自分の時間を仕事と同じぐらいプライベートな時間にも割きたいなって思い始めたんですよ。
プライベートな時間も仕事のことで頭がいっぱいになるような生活を、ずっとは続けたくないなぁと。
絶対それが正解だと思います。
僕はプライベートと仕事なら100:0でプライベートですね。
私は普段感情を出さない彼が泣きながら電話してきた時点で「もう辞めな!」って思ってました。
そうですよね!笑
そんなこんなで志布志市役所へ転職するわけですが、そもそもなぜ志布志へ?
今までの話を聞く限りだと、志布志とのつながりが見えないなぁと思って。
そうなんですよ!
そこ聴いてください!
辞めたいならそこに繋がる行動を始めようと思った
今日話を聞くまで、美弥さんが先に志布志の地域おこし協力隊に赴任した後、原元さんが志布志市役所を受けたものだと思ってたんですけど、原元さんが志布志市役所を受けたのが先なんですね?
そうですね。笑
そうなんですよ。
なぜ志布志かって言われると、正直あんまり理由はなくて。
というか、ぶっちゃけ市役所に受かると思ってなかったんです。笑
お試しで受けた感じ?
ですね。
ニッスイ時代は仕事中心の暮らし方をしてたので、公務員試験の勉強をする余裕がほとんどなかったんです。
そりゃそうですよね。
でも、『辞めたいって自分が思ってるなら、何か次に繋がる行動をしてみよう!』って思ったんです。
間違いないです!
それで、とりあえず国立大学職員の試験を受けてみたんですけど、これが全然できなくて。苦笑
『さすがに勉強しないと..!』と思い、参考書を買って勉強をちょこちょこ始めてみるんですよ。
なるほど。
『せっかく勉強も始めたし、試しに鹿児島の市役所を受けてみるか』と思いまして。
正直、本命は来年だと思ってたんです。
そこでなぜ志布志を?
志布志市役所を受けたきっかけ
まず、どこの市役所を受けようか考えた時に、妻(美弥さん)が鹿屋出身なんですけど、お義父さんが鹿屋市役所で働いてて。
さすがに同じ職場は気を遣うなぁと..
それは気を遣いますね。笑
で、鹿屋の隣が志布志で、妻の友人が志布志市役所で働いてて。
私、高校が志布志の高校なので。
なるほど。
妻の友人と話をした時に、「志布志、良い感じっすよ。」って言われたんですよ。
良い感じっすよ。笑
その友人も転職で志布志市役所に入ってるんですけど、当時は入庁1年目だったはずなんですよ。
今思うと『めっちゃ適当なこと言ってるよな』って思う!
『志布志良いっすよって言えるほど、志布志市役所のこと知らんやろ!』って。
たしかに。笑
でも、当時の僕は『あ!志布志良いんだ!』と思って受けてみようと思い、軽い気持ちで受けたんです。
そしたら受かっちゃって。
それが正直なきっかけですね。
すごいなぁ。
でも、就活で会社決める時の理由なんて、正直そんなもんですよね。
リアルな感じが嬉しいです。
受かったなら行ってみるか
受かっちゃった後の原元さんの思考について、もう少し詳しく知りたいです。
本気じゃない状態で受けたのに、受かっちゃったわけですよね?
僕なら『どうしよう..』ってめちゃくちゃ悩んじゃいそうですけど、どうでしたか?
そうですね..
『うわ!受かっちゃった!』って思った後は、『まぁ受かったなら行ってみるか』って思ったかなぁ。
迷わなかった?
迷ったんですけど、『とりあえず行ってみるか』っていう思いが強かったですね。
受かったし。辞めたいし。
良いきっかけかもって。
基本的にポジティブ思考なんでしょうね。
そのリアルな感じが、めちゃくちゃ良いです。笑
採用面接での対応
少しさかのぼって、面接の時の話を少し伺いたくて。
面接官から「なぜ志布志を?」って聞かれなかったですか?
めっちゃ聞かれました。笑
ですよね!
つながりが全く見えないですもんね。
いやでも、原元さん、そういう時の切り返しめちゃくちゃ上手そう。笑
そういうの..得意なんですよね。笑
まぁ営業やっててひたすら喋ってたからこそ、鍛えられた能力かもしれません。
そうですよね。
ニッスイで相手にしてた人に比べたら、公務員相手に面接対応するのなんて、全然簡単だと思うなぁ。
実際、面接では志望動機をどんな風に答えたんですか?
ニッスイの子会社で、ブリの養殖をしてる場所が宮崎県串間市(志布志の隣町)にあるんですよ。
以前、研修でそこに行ったことがあって。
うんうん。
当時、串間から見た志布志の町や海がすごく綺麗で、良い町だなって思ったんです。
自分は水産学部から水産系の食品会社で今働いてるんですけど、志布志の水産業をもっと自分の力で良くしていきたいと思ってます。
みたいなことを言った気がします。
完璧。
良いストーリー。
そしたら面接官は何て言ってました?
「あー!そうなんだね!!」って言ってくれて。
笑笑
しかもニッスイ出身で能力高いのは間違いないから、そりゃ採用しますよ。笑
ただ、今思うと、最初は相当変な目で見られてたと思います。
『なぜ地元でもないのにニッスイから志布志?』って。
そうかも。
そんなこんなで志布志市役所へ転職しました。
ニッスイには4年間いて、今は志布志市役所で7年目です。
いつの間にか公務員としての生活の方が長くなっちゃいましたね。笑
まとめー中編ー
良いきっかけかもしれないから、とりあえず行ってみるか
こう思って大企業を飛び出し、志布志市役所へ転職した原元さん。
『自分が辞めたいと思ってるなら転職に向けて行動しよう!』、『受かったなら良いきっかけと思っていってみよう!』など、人生の分岐点では常にポジティブに、柔軟に前を向く方だなぁと、お話の節々から感じました。
常に朗らかに前を見続ける姿は、たくさんの人を笑顔にしてくれる貴重な存在だと思います。
入庁時は志布志に縁が薄かったかもしれないけど、今となっては志布志に欠かせない人物だと感じました。
ということで今回は、転職する際の動き方に関するお話を中心に伺いました。
後編では、公務員として働く上で民間企業の経験が活きたポイントや、地域を音楽で盛り上げるJAZNICPARKとしての活動について、お話を伺います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
また次回、お会いしましょう!!
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