【前編】夫婦で種子島へ移住するという選択【湯目由華|中種子町地域おこし協力隊】

中種子町

「対話と挑戦の文化をつくる」がキャッチフレーズの、鹿児島にあるまちづくり団体テンラボ

そんなテンラボ鹿児島県くらし共生協働課と組んで、2012年から行っている講座があります。

その名も「本気の地域づくりプロデューサー養成講座」

この記事は6分で読めます^^

2020年度版チラシ

毎年、鹿児島県内の各地で活躍する人材を輩出するこの講座の受講生たちに、定期的にインタビューをして、受講生が年々変化していく様子を応援しようという本企画。

今回のゲストは、種子島の中種子町で地域おこし協力隊として働く湯目由華さんです。

前編では、夫婦で地域おこし協力隊になるまでのお話や、種子島での暮らしについてのお話を伺います。

<聞き手=森満 誠也(KagoshimaBase編集者)>

湯目由華さんのプロフィール

岩手県花巻市出身。

高校までを花巻で過ごし、宮城県の東北学院大学を経て、東京のベンチャー企業へ入社。コンサルタントとして企業の効率化や企業支援に携わる。

コンサルの道を究めるか、地域にコミットするか迷った結果、夫婦で中種子町の地域おこし協力隊になることを決断。

会社を辞め、2020年4月より地域おこし協力隊として活動を始める。

SNSを駆使した情報発信や、高校生と協働した観光PR動画の作成飲食店のアプリ開発マルシェの開催等、ゴリゴリと事業を進める。

2020年2月現在、空き家再生のプロジェクトも行っており、カフェ、シェアキッチン、ゲストハウスの運営を行うべくクラウドファンディングも行っている(2021年2月16日~3月26日)ので、是非覗いてみてください!

空き家をチャレンジスペースにリノベーションするクラウドファンディングはこちら☟
https://readyfor.jp/projects/tanegashima_yokana

YOKANA完成イメージ

種子島に移住する前

地元でやりたい仕事がないという原体験

森満
森満

よろしくお願いします!

寒い中、外でのインタビューになっちゃってごめんなさい!

湯目さん
湯目さん

いえいえ!

よろしくお願いします!

鹿児島市役所前のみなと大通り公園を「東京駅前みたいできれい!」と言ってもらえてうれしかったです。笑
森満
森満

岩手県出身なんですよね?

今まで何回も聞かれてるかもしれないんですけど、なぜ種子島に?

湯目さん
湯目さん

めぐり合わせなんですよ。

偶然というか。

森満
森満

めぐり合わせ?

湯目さん
湯目さん

すごーく発端の話をすると、私の生まれ育った地域には、働きたいと思えるような魅力的な仕事がなくて。

ここに居たらやりたい仕事ができないっていう思いがずっとあったんです。

森満
森満

鹿児島も然り、地方でよく聞く話ですよね。

湯目さん
湯目さん

ただ、よく考えてみたら地元が好きで地元で働きたいのに、やりたい仕事がないから地元を離れざるを得ない人って結構いるんじゃないかなって思って。

森満
森満

たしかに。

花巻市。一面の銀世界。

新卒で東京のコンサル会社へ

湯目さん
湯目さん

地方でも、やりたい仕事や、やりたいコトを実現できる仕組みをつくりたいなって思って、東京のコンサル会社に入ったんです。

でも、コンサルタントとして働いていると、関わる地域にガッツリ入り込むことができなくて。

森満
森満

契約が終わったら、次の現場に行かないといけないですもんね。

湯目さん
湯目さん

そうなんです。

3ヶ月ぐらいでパンパン切り替えないといけなくて。

そこで悩んだんです。

私はこのままコンサルを極めるのか、地域にコミットする仕事を見つけるのか。

森満
森満

なるほど。

地域にコミットしたいという欲求

湯目さん
湯目さん

でも、そうやって悩んでる時点で、私の中での答えは出ていて

急に知らない地域に飛び込んでも、それはそれで大変だよなって思って、地域おこし協力隊の制度を使って地域に飛び込もうと思い、応募先を探し始めるんです。

森満
森満

すごい行動力だし、冒頭から一貫してめちゃくちゃしっかりしてますよね。。

湯目さん
湯目さん

せっかくだったら、縁もゆかりも無い南の方に行こうと。

しかも島で暮らした経験がなかったから、離島がいいなって思ったんです。笑

そんな中で出会ったのが中種子町の地域おこし協力隊だったんですよ。

決め手は海とフリーミッション

森満
森満

ちなみに、中種子町に応募した決め手は何だったんですか?

湯目さん
湯目さん

フリーミッション型だったのが良かったですね。

森満
森満

フリーミッション型?

湯目さん
湯目さん

地域おこし協力隊の制度の中にいくつか型があって、中種子町の場合は、域の課題や目標を自ら設定し、地域活性化に資する活動を行うことが求められるタイプを採用していたんです。

これ、まさに私のやりたいことだと思って。

森満
森満

人から「これやって!」って与えられるのではなく、地域の課題を自分で発掘して、その課題を解決するってことですね。

面白い!

湯目さん
湯目さん

あとは、海がきれいな場所での生活に憧れもあったので。笑

種子島の海。同じ鹿児島とは思えない(写真は夫のともふみさん)。
森満
森満

僕自身ずっと鹿児島市に住んでるんですけど、種子島って1回しか行ったことがなくて。。

種子島という場所は知ってました?

湯目さん
湯目さん

『たぶん沖縄か鹿児島だよなぁ』ぐらいの感じでしたね。笑

抜け感が半端ない種子島の海

種子島で暮らす

夫婦で地域おこし協力隊に

森満
森満

取材前に湯目さんのSNSを見ながら、すごく面白いなーと思ったのが、夫婦で地域おこし協力隊として活動されてるんですよね?

湯目さん
湯目さん

そうです!

同い年の夫と二人で、中種子町の地域おこし協力隊をしています!

中種子町広報紙より
森満
森満

個人的な話で恐縮なんですけど、僕、知史さん視点で由華さんの様子を記録しているnoteが大好きで。

読むたびに、めちゃくちゃ癒されてます。笑

ちなみに、知史さんとはどこで出会ったんですか?

湯目夫婦の奮闘は、こちらのnoteでチェックしてみて☟

【週刊】この妻に僕はついていこうと思う
https://note.com/tomofumi_yunome/m/m3077699d9f2e

湯目さん
湯目さん

ありがとうございます!笑

出会ったのは大学時代ですね。

学年は違ったんですけど、同級生で。

森満
森満

夫婦で中種子町の地域おこし協力隊になるって、なかなか大きな決断だったと思うんですけど、どんな流れで?

湯目さん
湯目さん

夫も私も種子島に縁があったわけじゃないんですけど、私が「行こうよ!」って言ったら、着いてきてくれました。笑

森満
森満

なるほど。笑

20代の夫婦が移住してくる。

しかも地域おこし協力隊として。

もはやその事実だけで、中種子町にとってはめちゃくちゃプラスですよね。

湯目さん
湯目さん

最近、そういう風に言ってくれる方と出会えるようになって、かなり救われてます。

移住してきて、上手くいかずに悩むことも多かったので。

東京で暮らしてる時とそんなに変わらない

森満
森満

2020年4月から中種子町で暮らし始めて、もう少しで1年が経とうとしてますが、思い描いてた暮らしと比べてどうですか?

湯目さん
湯目さん

全然違いますね。

森満
森満

どこが大きく違います?

湯目さん
湯目さん

東京で暮らしている頃と、そんなに変わらないなっていう部分ですかね。

森満
森満

というと?

湯目さん
湯目さん

私たち夫婦が暮らしている地域は役場の近くで、割と栄えてるエリアなんですよ。

役場の近くに住めることはありがたいんですけど、イメージしてたご近所付き合いみたいなものが全然なくて。

中種子町役場周辺の様子
森満
森満

「ごはん作りすぎちゃったからいらない?」って、おばちゃんがおかずを持ってきてくれる。

みたいなやつですよね。笑

湯目さん
湯目さん

そうそう。笑

あとは、虫対策

空き家に住むことも、虫が出ることもわかっていたし、虫が出ても大丈夫だろうと思ってたんですよ。

でもダメでした。

虫でメンタルってやられるんですね。。

ふらっと海に行ける喜び

森満
森満

住んでみないとわからないことが、たくさんあるものですよね。。

ちなみに、種子島に住んでみて、改めて良かったなぁと感じることは何ですか?

湯目さん
湯目さん

海がきれいなことですね。

家から海まで近いので、ふらっと海に行けるのが嬉しい。

森満
森満

種子島の海、きれいですもんね。

透明度が半端ない
湯目さん
湯目さん

あとは、野草がめっちゃ生えてるので、食べ物に困らないなっていう。

森満
森満

たくましい。笑

自分で課題を設定して打開する方が楽しい

森満
森満

業務内容についても、少しお話を伺いたくて。

先ほどフリーミッション型のお話が出ましたが、普段はどんな業務を担当してるんですか?

湯目さん
湯目さん

役場から「この業務やってね!」って与えられるのではなく、空き家とか移住とか観光とか、色々な課題がある中から自分自身で課題設定をして、ミッションをクリアしていく形なんですよ。

業務を自分自身でつくっていくイメージですね。

なので、色々な場所を訪れて中種子町を知ることから始めました。

中種子町の日常
森満
森満

課題を設定するためにも、現状を理解するところからスタートしたってことですよね。

湯目さん
湯目さん

色々動き回る中で、私には自分自身で課題設定して打開していくスタイルの方が合ってるし、日々新たな発見があって楽しいなって感じていて。

フリーミッション型っていう採用形態が、私には合っていたなぁと思います。

ミスマッチを起こさないために

森満
森満

なるほど。

地域おこし協力隊の募集方法って、かなり大事なポイントなのかもですね。

業務を与えられる方が得意な人もいれば、自分自身で課題から設定したい人もいる。

そこでミスマッチが起きると、結構致命的な気がするなぁ。

湯目さん
湯目さん

ですね。

そこは、協力隊を募集する前に行政側が明確にしておいた方が、お互いにとってプラスだと思います。

業務の補助として募集するのと、クリエイティブを求めて募集するのでは、同じ協力隊でも必要な能力が全然違うじゃないですか。

森満
森満

たしかに。

湯目さん
湯目さん

『うちの自治体はこうやって雇用します!』って具体的に明言してもらえれば、その雇用形態を求めてる人が応募するはずなので。

森満
森満

めちゃくちゃ深いですね。

変にふわっとした募集要項になってるから、ミスマッチが起きるんだっていうのは、まさにそのとおりだと思います。

「受け入れ側が何を求めていて、なぜ地域おこし協力隊を募集するのか」みたいな部分がふわふわしてると、ミスマッチが起きるんでしょうね。

湯目さん
湯目さん

お互いに不幸にならない形が一番良いですよね!

まとめー前編ー

地域おこし協力隊になるべくしてなった人

湯目さんの人生を振り返りながらお話を伺う中で、僕自身が強く感じたことです。

就職する時点で地元と雇用に対する課題を解決したいという思いを持っていて、全く知らない種子島という土地に夫婦で飛び込んですぐに高校生と事業を進めたり、空き家のリノベに着手するバイタリティたるや。

アクティブに動き回る由華さんと、冷静に寄り添って伴走する知史さんっていう、この夫婦のバランスも最高だなと感じました。

あと、知史さんのnote【週刊】この妻に僕はついていこうと思うがとにかく最高なので、ぜひ覗いてみてください!

ということで、前編では、夫婦で地域おこし協力隊になるまでのお話や、種子島での暮らしについてのお話を伺いました。

後編では、1年目に活動してきたことや、絶賛チャレンジ中のクラウドファンディングについてのお話をお届けします。

湯目夫婦と空き家の大家さん
種子島|挑戦するあなたを応援する場所、つくります! - クラウドファンディング READYFOR
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では、また次回お会いしましょう!

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