「熱い公務員がもっと溢れる未来を作りたい」
そんな思いから生まれた、先輩公務員を囲んでざっくばらんに対話の時間を過ごす「公務員フェス」。
そのイベントの規模感を、『スマートかつオンラインで毎月開催していこう!』という趣旨で生まれたのが「公務員フェスmini」です。
今回のテーマは『オレたち令和3年入庁課』。
入庁して2ヶ月経った新規公務員たちが、今、何を思うのか。
当日の様子を出来るだけリアルにお届けしますので、公務員を目指す方もそうでない方も、お楽しみください!
当日のスケジュール
19:30 運営側あいさつ、ルール説明
19:40 参加者自己紹介
19:55 ゲストトーク①中俣智貴【シチョー】編
20:20 ゲストトーク②船岳陸【りく】編
20:35 休憩
20:40 みんなで語ろう
21:30 おわりのあいさつ
社会人側の参加メンバー
中俣智貴(以下「シチョー」)。
鹿児島県庁港湾空港課所属(2021年採用)。
本イベントの発起人。
熱い思いを持った公務員であふれる未来のために奮闘する。
園翔太(以下「のんちゃん」)。
鹿児島県庁デジタル推進課所属(2021年採用)。
本イベントの発起人。
鹿児島に航空会社をつくるために、ファーストキャリアとして鹿児島県庁で働き始める。
船岳陸(以下「りく」)。
鹿児島市役所住宅課所属(2021年採用)。
住宅課の職員として、市営住宅の募集や管理に奮闘する。
中学校の頃から公務員になりたくて、その夢をかなえた今、キラキラした目で鹿児島市民のために働く。
公務員フェスminiスタート!
19:30 運営側あいさつ、ルール説明
今回のイベントはオンラインでの開催。
学生、社会人併せて8名が集まりました。
まずは、主催者であるのんちゃんのあいさつ。
今日の流れやルールについて、丁寧めに説明します。
安心安全な場となるよう、柔らかい発言を心がけ、リラックスして参加してほしいと、皆に共有されました。
19:35 チェックイン(1人ずつ自己紹介)
ホテルにチェックインするイメージで、この場への参加を表明する、自己紹介のお時間です。
①普段やっていること(学部学科or職務内容)
②呼ばれたい名前(ニックネーム)
③今の気持ち
この三点を踏まえて、一人ずつ簡単な自己紹介をしていきます。
今回は、社会人3名+学生1名の全部で4名での開催!
少人数なことが逆に新鮮で、参加者はもちろん、運営側も不安とワクワクが入り混じる、手探りな状態でのスタートとなりました。
19:45 公務員フェスの目的を共有する時間
運営側から、このイベントをなぜ行っているのかについて、説明があります。
公務員フェスの4つのテーマがこちら☟
僕の思う一番大事なテーマは、自分の選択にたしからしさをということ。
この公務員フェスに参加して、民間に就職する道を選んだとしても、それは全然嬉しい!
と、のんちゃんから補足が入ったところで、いよいよゲストトークに移ります!
19:55 ゲストトーク①中俣智貴×鹿児島県庁
自己紹介
鹿児島大学の法文学部で、法律を学んでいました。
大学三年生の頃、地域づくりの分野にハマり始めて。
そこから公務員フェスみたいなことをやり始めましたね。
今日は、『普通の大学生が社会人1年目をしている』という目線で見てもらえると嬉しいです。
本気の地域づくりプロデューサー養成講座が公務員フェスを始めるきっかけ
僕が公務員フェスをはじめたきっかけは、鹿児島県庁くらし共生協働課が主催してる「本気の地域づくりプロデューサー養成講座」を受講したこと。
この講座は、本当に色んな人のおすすめしたい。
僕が鹿児島県庁職員だから薦めるわけじゃないんですよ。笑
鹿児島県内で『何か新しいことを始めたいな』と思ってる社会人や学生が受講生で、4ヶ月にわたる中長期の講座なんです。
例えばファシリテーションや場づくりの手法、自分のやりたいことを形にしてフィードバックするまでのプロセスなど、地域づくりの本質部分を網羅的に学べるので、すごくおすすめ!
僕自身、この講座でいろいろな出会いがあったし、きっかけをもらいました。
鹿児島にいる大人とのつながり
なぜ鹿児島県庁に入ったのか
これ☝、結構良く聞かれるんです。
僕はありがたいことに、鹿児島県庁以外にも鹿児島市役所や宮崎県庁、国家公務員等からも内定をいただけてて。
その中で、どこで働こうかと考えたんですよ。
考えた結果、やっぱり僕は鹿児島のことが好きで。
鹿児島県全体を見渡せる仕事がしたかったんです。
鹿児島県内各地で働いてみたいし、色々な鹿児島の良さを見つけていきたいなと思ってます。
今している仕事
2021年4月に入庁した僕は、港湾空港課という部署に配属されて働いています。
県庁の中では珍しく、僕のような事務職と、土木技師のような技術職が入り混じる課で、ざっくり言うとこんな☟感じです。
港についての仕事ということもあり、とにかくスケールが大きい。
住民と一緒にっていう仕事ではなく、国や出先機関との調整が多めですね。
応援する空気感
働いてて、楽しいことも辛いこともありますが、今の所、楽しさの方が大きいですね。
入庁式の際、知事が「若い人にもどんどん意見を言って欲しい」っておっしゃっていたり、職員による政策提案コンテストというものがあって、良い提案であれば事業化される可能性もあったりと、県庁の中にも新しい風が吹いているなと感じています。
学生との関わりを増やそうとしてる県庁側
鹿児島県庁に入って一番驚いたのは、県庁の人事の方々が学生と交流していきたいと思ってくれていることですね。
失礼ながら、入庁するまでは「まじめで厳しい人が多いんだろうな」って思ってたんですよ。笑
でも入ってみたら、この公務員フェスのことも人事の方が応援してくれていたり、もっと県庁側が学生と交流する機会を持とうと動いている状況があって。
ここがポジティブな意味で驚きでしたね。
公務員か民間かで迷う学生へ
●何か新しいことに挑戦したいと思っている学生
●自分が将来何がしたいか定まっていない学生
●飽きっぽい性格の学生
こういう☝学生には、意外と公務員という職業は向いてると思います。
給与と休日が安定的に手に入るからこそ、新しいことに思い切ってチャレンジできる。
これは公務員の強みだなと思ってます。
20:20 ゲストトーク②船岳陸×鹿児島市役所
自己紹介
岡山県出身で、鹿児島大学を経て、鹿児島市役所の住宅課で働いています。
大学時代は社会保障法ゼミという所に所属してて、高齢者福祉について学んでいました。
ルーツ
『なぜ岡山出身なのに鹿児島市役所なの?』って感じると思うんですが、僕は祖父母の家が鹿児島にあって。
小さい頃からよく鹿児島に遊びに来てたんです。
就職する場所の大学に行こうと、高校生の時に決めてて、『鹿児島で働きたいな』と思い、鹿児島大学へ進学しました。
まぁ、灰が降る暮らしに関しては、大変そうだなと思ってましたね。。笑
大学生時代やってたこと
大学時代は、主にサークルとボランティアの活動を中心に動いてました。
大学ではESSっていう英会話サークルと、FromLeafっていうサッカーサークルに所属して。
それとは別に、STEP-学生投票率100%を目指す会-っていうボランティアサークルにも所属していました。
STEPは、鹿児島県庁の選挙管理委員会がとりまとめ(?)してる団体で、月一回集まって、学生の投票率を上げるために何をすればいいのか考えるんです。
単発の活動ではなく、長期的な活動であることに惹かれて、大学一年生のころからずっと活動していました。
テレビの取材対応に追われたり、高校へ出前授業をしたりと、結構アクティブに活動していましたね。
福祉系の部署に配属されるものだと思ってた
大学時代が福祉を専門として学んでいて、面接でもこの話題に触れることが多かったので、てっきり福祉系の配属先だとばかり思っていたんです。
そしたら、電話で「住宅課に配属です」って言われて。
え!?住宅課?何するところだ??
って驚きましたね。笑
住宅課と言っても、いわゆる戸建ての住宅ではなくて、市営住宅に関する業務を担当する課なんですよ。
市営住宅って聞くと、4-5階建てのビルをイメージする方が多いと思うんです。
ただ、僕も驚いたんですが、戸建てタイプの市営住宅もあるんですよね。
これ、結構驚きじゃありません?
上の写真なんて、2021年3月に完成したばかりで、中とかめっちゃきれいなんですよ!
この戸建て住宅は地域活性化のためのものなんですが、身体障がい者向けだったり、新婚子育て向けの住宅だったりと、色々な募集枠があるのが市営住宅の特徴だと思います。
僕らの仕事は、この市営住宅の管理をしたり、建て替えのための手続きだったり、空いてる住戸の対策をしたり、みたいな仕事をしていますね。
祖父へのあこがれ
僕の祖父は、鹿児島県の警察官でした。
小さいころから、鹿児島に遊びに来たら交番で祖父の警察官姿を見ながら、かっこいいなぁって思ってたんです。
そのころからですね、公務員を意識し始めたのは。
中学、高校、大学と、色んな思いや感情を経て、最終的に自分の中で「多くの人の支えになりたい」という気持ちが大きいことに気づいたんです。
だから、住民との距離が近い市役所で、純粋に『人のために働きたい』と思って、鹿児島市役所を選びました。
公務員として大切にしていること
公務員になってまだ2ヶ月ぐらいですが、『人に見られる』ということを意識するようになりましたね。
公務員として見られても、人として恥ずかしくない行動をとらないといけないなって。
あと、これは市役所の仕事の大きな特徴だと思うんですが、市民の方との接する機会がめちゃくちゃ多いんですよ。
「こうこうしてくれ!」みたいな要望を受けることも結構あるんですけど、それに対して「できません!」ってすぐ言っちゃうのは、全然ダメだなと思っていて。
なぜその人はこういうことを言うのか、相手に寄り添う姿勢が大事ですね。
その姿勢が持てないと、市役所職員として働くのは難しいんじゃないかなぁ。
忙しいけど楽しい
入庁して、まだ2ヶ月ですけど、仕事は正直かなり忙しいですね。笑
業務も覚えないといけないし、法律や条例も覚えないといけない。
あと、めちゃくちゃ電話がかかってくるので、電話対応で一日が終わっちゃうこともありますね。
「今日中にやらないといけないことあったのに。。」みたいな。笑
ただ、先輩や上司が優しく教えてくれるので、その辺はありがたいです。
仕事以外の雑談をしたり、笑いあったり、10個上の先輩とも、ユナイテッドの観戦に一緒に行こうって言う話をしてたり。笑
市民の方から「ありがとう」って言われる機会もあって、自分が思い描いていたとおりの仕事が出来ているなって、今感じていますね。
20:40 みんなで語ろう
コロナ禍で、今までと仕事のやり方って変わってきてるんですかね?
まさに、僕が所属してるのがデジタル推進課っていう部署で。
5月末ごろから、鹿児島県庁で全庁的に在宅勤務の導入も始まっているよ。
へぇー!
コロナ禍という社会の変化に合わせて、県庁の中も変わり始めているということっだね。
でも、在宅勤務には、情報のセキュリティとか、いろいろな制限があるのも現状で。
まずは、『今できることからやってみよう』という姿勢で、少しずつ変わり始めているよ!
あとは、通勤時間が密にならないようにっていう意味で、時差出勤は導入されてるよ。
県庁の場合だと、一番早くて7:00-15:45、一番遅くて9:30-18:15の勤務時間を選べるようになってる。
鹿児島市役所はどう?
鹿児島市役所も、だいたい同じような感じで時差出勤はしてるよ。
基本の業務時間が8:30-17:15なんですよね。
これをベースに、早めたり遅くしたりしながら、ピークをずらす感じ。
あと、これは住宅課に限定される話なんだけど、市営住宅の募集に関して変わったかな。
コロナ前までは、公民館みたいな会場に来て、直接申し込む選択肢しかなかったんだけど、コロナ禍以降は郵送での応募が出来るようになって。
へぇー!
それこそ鹿児島市でも電子化を進めようとする流れがあるから、今後は電子申請での募集みたいな状況になっていくのかもね。
在宅ワークに関しては、鹿児島市は無くて。
市民との対応が基本だっていう特性上、市役所では在宅ワークを導入するのって難しいのかなと感じてる。
逆に、大学での授業は今どんな感じなの?
そうですねぇ。
大学生でコロナ陽性者が出たからといって、すぐにリモート授業に切り替わるわけではないんですよ。
へぇー!
大学の施設を利用してたかどうかの調査を受けて、利用してたら約1週間リモートで授業を受け、次はまた対面みたいに、切り替わる感じですね。
なるほど!
リモートと対面がちょくちょく切り替わるんだね!
合格を勝ち取るための秘訣って何かありますか?
そうだねぇ。。
筆記試験と面接対策のバランスを大事にしてたかな。
面接対策も早くからしてたんですか?
そうだね。
自治体ごとに、エントリーシートに書く内容って違うんですよ。
早い段階から色々な自治体のエントリーシートを見ておいて、「ここ何書こうかな?」って考えてました。
書けないことがあれば、それを書けるような経験や体験をしに行ったり。
なるほど。
エントリーシートって、面接のための前フリなんですよね。
面接で言うためのネタをエントリーシートに仕込むみたいなイメージ。
住宅課で働いてるとのことですが、その部署は希望して入ったんですか?
いやっ!笑
大学のゼミが福祉系で、面接でも福祉関係の話題が多かったから、福祉関係の配属先だと思ってたんですよ。
(うんうん)
しかも市役所って、新卒で福祉関係とか窓口関係に配属されることが多いんです。
生活保護の担当とか。
だから、完全にそっち系のはずだと。
なるほど。
そしたらまさかの住宅課っていう。笑
面接の時に、聞かれて困ったことや、逆にしゃべりやすかったことがありますか?
面接シートに書いたことを聞かれれば、そりゃしゃべりやすかったよね。
困ったことかぁ…なんだろ。
その場でぱっと出された質問には、「早く答えなきゃ」って焦ったりしたかな。
たしかにね。
あと、県庁は「なぜ?なぜ?」っていう深堀りがすごかった。
深堀りされた時に、ちゃんと言語化できるのかっていう部分を見られてたイメージだね。
自分の中で一本の軸をしっかりもって、それをエントリーシートに言語化出来てれば、それでいいんじゃないかな。
先ほどのプレゼンで、3-4年で異動があるとおっしゃってましたが、全然関連性のない部署に行くこともあるんですか?
あるある!
ほとんどの場合が、全く関係ない部署への異動だよ。笑
そうなんですか⁉⁉
もう一度同じ場所に戻ってくることもあるんですか?
それもあるよ。
例えば、建設系の部署に新卒で配属され、福祉、観光、農業を経験して、管理職として建設系に戻ってくるみたいな。
色んなパターンがありますね。
21:30 おわりのあいさつ
「今日の場は、あなたにとってどんな意味がありましたか?」という問いの答えを、感想として書いてください!
とのアナウンス。
紙に書いた後、全員で一言ずつ、今日の感想を共有する時間が設けられました。
出てきた感想を紹介します。
『究極の近い距離感』
正直、この少数での開催に対して、すごく不安だった。
ぼくの集客力不足をすごく感じたし、落ち込んでて。
ただ、まさしくんの笑顔に救われたし、学生と公務員が近い距離感でしゃべれるということが最初考えたコンセプトだったなって思い出せた、そんな時間でした。
『場が開かれている価値・尊さ』
昨夜の21時ぐらいにシチョーから電話があって。
ごめん…って泣きかけてたんです。笑
でもね、この場が開かれること自体に価値があると思ってるんですよ。
だからこそ、場が開かれてることへの尊さがあるなぁと思った。
究極の近い距離感って書いてくれたシチョーが、すごく印象的だったし、4人だったことが、今日はすごく良かったなって思いました。
『濃厚』
今日、初めて参加させてもらって、プレゼンをつくる過程で、自分がどういう過去をたどって、どんな仕事をしてるか、振り返ることができた。
県庁の話も面白く、学生の気持ちに共感もして、時間がめっちゃ早く過ぎたなぁと、そう感じました。
『公務員になりたいと、より深く思うようになった』
短い期間しか公務員を経験されてない皆さんなのに、こんなにアツい想いを持って働いてる様子がうかがえて、公務員の仕事の内容ややりがい、楽しさを感じることができました。
正直、高校の時からなんとなく安定してそうだから公務員を目指してたんですよね。
でも、今日色々な公務員の方の話を聴けて、公務員になりたいっていう想いの中核が自分の中にできた。
そんな時間でした。
ありがとうございました!
学生の最後の言葉が最高でしたね。
あれは泣いちゃう。
それでは、また次回の開催レポートでお会いしましょう!
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