公務員を辞めて民間企業で働き始めた人。フリーランスになった人。
民間企業を辞めて、公務員になった人。
やりたいことや夢をかなえるために、新たな道へ踏み出した『元』公務員や『現』公務員に密着します。
彼らは何を思って行動し、今何を感じているのか。
今回は、鹿屋市役所から民間企業へ転職した、谷村亜希子さんの第2話です。

第1話では、公務員(鹿屋市役所)から民間へ転職するきっかけについてのお話を中心に伺いましたが、第2話では、民間企業への転職した後どのようなキャリアを歩まれて今に至るのかについて深く伺いました。
谷村さんの姿をとおして、働き方で迷ってる人や悩んでる人のモヤモヤが少しでも晴れてくれれば嬉しいです。
<聞き手=上木寿人(KagoshimaBase編集者)、森満 誠也(KagoshimaBase編集者)>
なぜか再び公務員の仕事をすることに

「東京に行こう!」と思って転職したふるさと回帰支援センターでは、具体的にどんな仕事をされていたんですか?

ふるさと回帰支援センターは地方への移住相談窓口で、私は香川県の専属相談員として働いていました。
香川に地縁はまったくなかったんですけど、公務員を辞めた頃に香川のお寺に何度か行ったことがあり、お世話になった感があったんですよね。笑

また出てきましたね、お寺が!笑

そうなんです。あの頃お世話になったなって思い出して!
働き出したら香川県の面白いことがたくさん知れたり、香川の方も良い方ばかりですごく仲良くなって。

うんうん。


香川の専属相談員として働き始めて2年半ぐらい経った頃に、香川県の高松市役所が東京で移住&転職相談をする施設をオープンするという話になりまして。
そこの運営を受託する業者さんから、

オープンするから来ない?
と声をかけていただいたんです。

すごい!

少し悩んだんですけど、「面白そうだな」と思って。
「行く行く!」って回答して、転職することに。

「面白そう」っていう谷村さんの軸がここでも出てきましたね!

たしかに!笑
そこで働いてる時に、香川県の三豊市役所から「地域おこし企業人として、うちで移住戦略みたいなのを作ってくれない?」と誘っていただいて。
地域おこし企業人とは
企業と地方圏の地方自治体が、協定書に基づき、社員を地方自治体に一定期間派遣する。
地方自治体が取組む地域課題に対し、社員の専門的なノウハウや知見を活かしながら即戦力人材として業務に従事することで、地域活性化を図る取組のこと。

なるほど。


悩んだんですけど、会社から「行ってきていいよ!」って言われたんで、なぜか再び市役所で働くことになったんです。

民間企業に転職したと思ったら再び市役所に戻るという、なかなかレアな展開!

そうなんですよ。笑
それも、三豊市役所に行ったら、企画部門の課長補佐に!

課長補佐..!!

コロナ時期だったので、県外学生応援プロジェクトなどを担当させてもらえて楽しかったですね!
香川や岡山のメディアにも出させてもらったりして。笑
ただ、課長補佐という職種柄、議会対応がありまして。。

管理職ならではの調整業務がたくさんありそうですね..

そうなんです。
「私、いつの間にか公務員of公務員の業務をしているのでは?」と思い始めまして。
会社に「コロナですし帰っても良いですかね….」と相談して、1年で東京へ戻りました!笑

私は調整とか交渉するよりも、現場が楽しい人間だったよね

そしてまた東京(高松市の移住&転職相談施設)に戻ったんですけど、ふるさと回帰支援センターから「帰ってきてくれない?」とお声かけいただく機会がありまして。

(辞めた人に対して戻ってきてほしいって声かけるって、よっぽど谷村さんの存在が大きかったんだろうなぁ。。)

色々と考えたんですけど、ふるさと回帰支援センターの複数の相談員さんから「帰ってきてほしい」と言ってもらえたので、「じゃあ帰るか!」ってなりました。

それだけ必要とされるって、すごいことだと思います!
東京行ってから目まぐるしく移動してそうですけど、一旦まとめると..

東京(ふるさと回帰支援センター)→東京(高松市)→香川(三豊市役所)→東京(高松市)→東京(ふるさと回帰支援センター)という感じです。
たしかにバタバタしてますね。笑


再び戻ったふるさと回帰支援センターでの仕事はいかがでした?

それが、またまた出世しまして。笑
役職が相談部門の「東日本担当部長」だったんですよ。

ということは..

いわゆる管理職ですよね。
執行役員会議とかにも出席するポジションで。

なるほど!
一般的にはお祝いされるような出世話だと思うんですけど、谷村さん的には..

そうなんです。
そういうポジションで働いていると、思い出しちゃったんですよ、鹿屋市役所を退職した理由を。
「あれ、私、いつの間にかまた調整とか交渉の仕事をしているのでは?」って。

そこでまた「調整や交渉」というキーワードが出てきたわけですね。

私にとってふるさと回帰支援センターは東京のまさに故郷なのですが、辞めてしまいました。
辞める時はつらかったですね。。
でも、自分のライフスタイルの芯の部分はやはり大切なんですよ。
自分に嘘はつけない!

まちがいない!
自分の大切な判断軸

そこで転職したのが、今働いてる会社なんですよね?

はい、「みらいワークス」という会社です。
今は鹿屋に住んでフルリモートで仕事していますが、転職したときは東京で働いてましたね。

転職するタイミングで「地元に帰ろう」っていう選択肢も候補としてあったんですか?

いやー、その選択肢もあって、しばらく鹿児島県内企業の求人も見てたんです。
ただ、私のやりたい仕事とマッチングしなかったんですよね。
ほら、私、「面白そう!」と思えるかどうかが自分の中での大切な判断軸なので。

なるほど!
今の会社ではどんな仕事を?

みらいワークスの地方創生部というところに所属してるんですけど「自治体のプロポーザルでやりたいものに手を上げて、受託した事業をやっていく」みたいな仕事をしています。
「どのプロポに手を上げるかは自分で決めていい」って会社から言われているので、自分のやりたいことが出来てすごくありがたいですね。

裁量権を与えてもらってるのは強いですね..!!
転職時は東京だったとのお話でしたが、今は鹿屋でフルリモートワークされてますよね?
鹿屋に帰ってくるきっかけって、何かありましたか?

実家が老老介護で破綻しそうになっていたんですよ。
会社に相談したら「フルリモートでいいよ」って言ってもらえてので、「わーい」って帰ってきました。

自分自身がどう思うのか、どうしたいのか

素敵な会社!
最初からずっと思ってるんですけど、谷村さんって一見ネガティブなこともポジティブに全部変換出来てる感じがしてて。
そうやってポジティブに前に進めてる感じが最高ですね!

私の場合、ものを深く考えないだけなんです。
なぜか「なんとかなるでしょ」っていう気持ちがあるだけで。

谷村さんのそういった感覚ってどこに起因してるんですか?
育てられ方の影響とかなんですかね?(僕もそうなりたい..)

育てられ方ではない気がするんだよなぁ。
三姉妹の三番目なんですけど、上の2人は私とは全然ちがっていて、ちゃんとしてるんですよね。笑

ちゃんとしてる。笑

私のようにフリータではなかったし。
仕事を急に辞めて「これからどうするかなぁ」ということもないですし。笑

ちゃんとされてますね。

父も同じ会社で定年まで勤め上げて。

ちゃんとされてますね。

専業主婦の母も、父の給料を大切に生活をしてきて。

ちゃんとされてますね。

私みたいな人って、うちの家族には1人しかいないんですよ。
なんでこんな風になったんだろう。。笑
あー、でも、うちの父が「お前はどう思うのか?」ということを、テレビのニュースを普通に見ていても問いかけてくるタイプだったんです。
夕飯時に、父と政治的な口論になって「ご飯が少しも美味しくないんですけど..」みたいな日も。笑


おもしろい!

「自分がどう思うのか、どうしたいのか」を考える訓練は、子どもの頃からしていたんだなって、今振り返ると思いましたね。
たぶん、家族の中で私だけ、教育の成果が違う方向に発現した結果だと思います。笑

すごく興味深い自己分析だなと思いました!
谷村さんの経歴って、文字にするとすごくキラキラして見えると思うんです。
40代で転職して東京に行き、行く先々で出世して。
今は地元に帰ってきて東京の会社でフルリモートワークしてる。
でも、直接話を聞いてみて、文字の裏側にある部分をつなぎ合わせてみると、全く別のところで芯が通っているのがわかりました。

なんかこう、「見た目がきれいな寅さん」みたいな感じですよね。
はらまきとかしてないですけど、生き方としては寅さんみたい。

ふわっと漂っているように見えて、「面白そうかどうか」っていう自分軸を大切に生きている感じが、会話を続けるうちに伝わってきました。

確かに!
寅さん感あるかもしれない!
気がついたら「面白そう」と思う基準が変わって、いなくなってる可能性ありますもんね。笑

笑笑
ふるさと回帰支援センターに部長職で復帰したときも、組織側は良かれと思ってそのポジションを用意してる可能性あるじゃないですか。
でも、管理職の仕事じゃなく現場にいたいと思って谷村さんは転職するわけで。
本当に需要と供給のマッチングだなぁと思いました。

私に調整業務させたら「おのおの好きにやればいいんじゃないかな」って言っちゃいそうですもん。
私は「自分はどう思うのか」を常に自分自身に問い続ける、そういう教育を受けてきていますから。笑

自分はどう思うのかを常に問い続ける。
これ、簡単なようでなかなかできないんですよね。

たしかに。いやーおもしろかった!
ということで、本日は貴重なお話ありがとうございました!
ほとんど仕事の内容には触れてないのに、生い立ちの話だけでこんなに満足感高いインタビュー初めてかもしれないです。笑

私の人生をそういう風にとらえていただいてありがたいです!
こちらこそ、ありがとうございました!

まとめー第2話ー
確かに!寅さん感ありますよね
気づくとまた市役所で働いていたり、調整や交渉が苦手で辞めたはずなのに、なぜか調整ど真ん中のポジションに就いてしまっていたり。
普通なら「なんでこうなるの…」と嘆くところを、笑ってネタにする。
そして、そのたびに、「面白そう!」「なんとかなるでしょ!」と自分の感覚を信じて一歩前に進む。
道を間違えても、面白そうなことを優先しても、ちゃんと人生は続いていく。
「人生ってそれでいい」
そう感じた今回のインタビューでした。

「見た目の綺麗な寅さん」
谷村さんは、まさにそんな女性でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
また次回、お会いしましょう!



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