公務員を辞めて民間企業で働き始めた人。フリーランスになった人。
民間企業を辞めて、公務員になった人。
やりたいこと、夢をかなえるために、新たな道へ踏み出した『元』公務員や『現』公務員に密着します。
彼らが公務員として何を思い、今何を感じているのか。
今回は、2021年5月に鹿児島県庁から民間企業へ転職した、徳田有星さんの続編【転職2ヶ月後の記録】です。
今回は、公務員時代の僕に欠けていたスキルというテーマで、お話を伺いました。
徳田さんの姿をとおして、働き方で迷ってる人、悩んでる人のモヤモヤが少しでも晴れると嬉しいです。
<聞き手=森満 誠也(KagoshimaBase編集者)>
すごく葛藤している
県庁職員からリクルートに転職して2ヶ月が経ちました。
仕事はどんな感じですか?
正直、すごく葛藤してますね。
おぉ!
意外な答え!
ここを目指すぞ!っていうポジティブな時もあれば、めっちゃ結果を出してる人を目の当たりにしてネガティブになる時もあって。
自分の力不足にヘコみますよね。。
なるほどなぁ。
でも、おかげさまで素敵な人達との出会いもあって。
最近は、どれだけ成功してる人でも『みんな悩みを抱えながら、戦ってるんだよな』って思えるようになりました。
SNSだけ見てるとキラキラした部分しか伝わってこないけど、その裏では様々な思いを抱えてるんでしょうね。
全く身についていなかったこと
僕が公務員として働いていた期間、全く身についてなかったなって思うことがあって。
ほうほう。
『社会でお金がどう回っていくか』っていうビジネスに関する感覚が皆無だったなって。
ビジネスに関する感覚?
公務員時代の僕は土木技師だったので、工事とかを発注してたわけですよ。
大前提として税金という予算が県にあって、それをもとに僕は工事を発注して、良いものをつくる。
ここで支払ってるお金って、僕が工面するわけではないわけで。
たしかに。
感覚としては、『用意されたお金』というか。
そうです。
だから、お金がどうやって調達されて、どうやって回っていくのかっていう感覚が無かったし、考えたこともなかったんです。
…ないかも。
今リクルートで営業をしていて、公務員時代とは立場が逆転した感覚で。
自分たちが事業をして生み出した利益が、直接的に自分たちの給料になってる。
事業でお金を稼がないと、僕が食べていけないっていう仕事に変わったわけです。
なるほど。
なので、お客さまからお金をいただく上では、相手の目的や求めている成果を、どうすれば達成できるかという点を必死に考えないといけない。
実際、転職する前はいろんな人から「徳田君は人当たりが良いから、営業向いてるよ!」って言われてて。
良い気になってたんですよ。
うんうん。
実際、今までの自分であっても営業先の人と仲良くはなれるんですよ。
でもその先が大事で。
営業するってことは、仲良くなることがゴールじゃなくて、相手に『この人と仕事をしたい!任せてみたい!』と思ってもらわないといけない。
たしかに!
仲良くなることと、仕事を一緒にしたいと思ってもらうこと、ここの違いを自分は分かってなかったですね。
ただ仲良くなって終わりじゃなくて、仲良くなるの先に行かないと、いざ起業するってなった時に自分が苦労するなって感じました。
たしかに、自分が企業の経営者だったと想像した時に、いくら徳田さんが良い人でも、ただの良い人ってだけじゃ『この人と一緒に仕事したい』って思わないかも。
食べていくためには、稼がないといけないわけで。
そこを与えてくれる人じゃないと、一緒に仕事をするメリットって会社的には薄いですもんね。
まさに。
稼がないと意味がないわけで。
公務員時代にできた関係性は、どちらかというと仲良くなるっていうカテゴリーだったので、尚更そこの違いに直面してますね。
面白いなぁ。
起業で成功してる人
少し話が変わるんですけど、最近、二代目三代目で活躍してる社長を良く目にするなって感じているんですよ。
なるほど。
なんでなんだろうって考えた時に、起業した一代目が会社の基盤をカッチリ固めてて、最低限食べていくのに困らない状況をつくってるから、+αの部分に二代目三代目が注力できてるんじゃないかなって。
めちゃくちゃ分かります…‼
そもそも公務員として食べていくことにヒーヒー言ってる自分からすると、そういう経営者の人たちに対しては尊敬の念しかない。
僕には到底できないので。
ほんとに!
起業して会社を軌道に乗せるって、とてつもないことですよね。
僕は幸運なことに、業務として経営者にアプローチしやすい環境にいるので、そういう方々からたくさん吸収させてもらえるチャンスだと思ってます。笑
たしかに!笑
僕自身が起業して夢をかなえるために、どんな思考でどんな覚悟が必要なのか、リクルートで働きながら固めていきたいなぁって思いますね。
挑戦の先の学び
なるほどなぁ。
また話は変わるんですけど、MR.JAPANっていうコンテストに応募してましたよね?
あれ、どうなりました?
ちょっと…無理ですね。笑
無理なんだ。笑
予選は突破して、セミファイナルで動画3本作ったんですけど、正直かなりキツくて。
「あー!もういやだー!」って言いながら、動画編集してました。笑
でも、毎回動画のクオリティが上がってて、動画制作の成長過程が見れておもしろかったですよ!笑
ありがとうございます。
今回の大会を通じて、発信力・影響力の重要性を身にしみて感じましたね。
今後の課題が一つ見えた気がします。
なるほどなぁ。
僕から見ると、自分で動画つくったことないので、それだけですごいなぁと思います。
こうやってインタビューさせていただけてるのも、MR.JAPANに挑戦してくれたからこそ出来てるわけだし。
たしかに。笑
ということで、今回も赤裸々にお話聴かせていただいて、ありがとうございました!
また是非、よろしくお願いします!
まとめ
僕はビジネスパーソンじゃなかった
『公民連携』がキーワードになりがちな現代の自治体運営において、自治体職員が『稼ぐ』ことをどうやって経験する機会をつくるかが、重要なテーマだと思っていて。
徳田さんがおっしゃっていたように、私たち公務員は業務の中で稼ぐことを経験しづらい環境にいるんですよね。
だからこそ、副業という部分で小さくモノを売るみたいな経験が求められてるし、その経験は民間企業の人たちと連携する上で欠かせないスキルだと思います。
もっとナチュラルに、公務員と民間人が行ったり来たりできる社会になると楽しいなぁ。
ということで、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!
また次回お会いしましょう!
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