公務員を辞めて民間企業で働き始めたり、フリーランスへなった人。
民間企業を辞めて、公務員になった人。
やりたいこと、夢をかなえるために、新たな道へ踏み出した『元』公務員や『現』公務員に密着します。
彼らが公務員として何を思い、今何を感じているのか。
第1回目のゲストは、2021年5月に鹿児島県庁から民間企業へ転職した、徳田有星さんです。
前編では、転職活動を始めるまでの生活や葛藤を中心に、お話を伺いました。
徳田さんの姿をとおして、働き方で迷ってる人、悩んでる人のモヤモヤが少しでも晴れると嬉しいです。
<聞き手=森満 誠也(KagoshimaBase編集者)>
徳田さんのプロフィール
1993年生まれ。
鹿児島市出身。
九州工業大学で土木を学び、鹿児島県庁へ入庁。
1年目に商工政策課へ配属され、商店街の人や企業に伴走しながら一緒に課題解決する仕事にやりがいを感じる。
その後、商工政策課から異動し土木職として働くものの、働き方のモヤモヤが晴れず、転職を決意。
3年後にパーソナルトレーナーで起業するという夢を叶えるため、ビジネス感覚やマーケット感覚を鍛えるべく、株式会社リクルートへ入社。
転職先の会社について
よろしくお願いします!
久しぶりですね!笑
えええ!?
そうなんですか!?
おめでとうございます!!!
ありがとうございます!
九州エリアで鹿児島担当の営業職に内定しまして!
引き続き鹿児島にはおりますので、今後ともよろしくお願いします!笑
こちらこそ!
というか営業職なんですね!
どんな仕事をするんですか?
ド営業ですね。笑
テレアポで約束をこぎつけて企業の担当者にヒアリングしたり、飛び込みで営業したり。
なるほど。
企業相手がメインってことですよね?
もう少し具体的に、どんなことをするのか伺っても良いですか?
そうです。
企業側の経営課題とか、どういう人材を雇用していきたいのかを聞かせていただいて、最終的には相手の必要としているものにマッチングするようなリクルートの商品をプレゼンさせてもらう。
みたいな感じ”らしい”です。
正直、僕もどんな仕事なのか把握できてなくて。。笑
まだ働いてないから、どんな感じか分からないですもんね。笑
相手の悩みを解決できるような商品を提案し、会社をより良くしていくお手伝いをするイメージですよね。
リクルートって、今どんな働き方なんですか?
詳細はまだ聞けてないんですけど、少なくともフレックスタイム制で、もしかしたらオフィスに出社するのも自由なのかもしれないです。
フレックスタイム制とは
フレックスタイム制は、労働者が⽇々の始業・終業時刻、労働時間を自ら決めることによって、⽣活と業務との調和を図りながら効率的に働くことができる制度。
引用:厚⽣労働省・都道府県労働局・労働基準監督署(https://www.mhlw.go.jp/content/000476042.pdf)
なるほど。
働く時間についても、4月から少し変わるみたいで。
1日の勤務時間が少し伸びる代わりに休みの日が増えて、ほとんど週休3日の形になるみたいです。
おお!
うらやましい!
いやっ!
これ、一見、『休み増えてラク!』って思いがちですけど、休みが増えるってことは、『短時間で成果を出さないといけない』ってことですからね。。
…たしかに。
よりシビアな世界というか実力社会というか。。
ですよ。
かなりヒリヒリした感じですよ。。笑
なるほどなぁ。
県庁時代の仕事と全く違いますよね?
全く違いますし、そもそも僕、九州工業大学出身の土木職だったので、完全に異なるジャンルに飛び込む感じですね。
土木職の僕が商工政策課に配属されたわけ
あれ?
でも、県庁に入りたての頃って、土木とは関係ない『商工政策課』に配属されてなかったですけ?
そうなんですよ。
そもそも伊藤前知事がつくった『総合行政』っていう仕組みが実現させてくれたもので。
上級事務職と上級土木職が一緒の括りだった時期があったんですよ。
へぇー!
僕自身、『総合行政』という枠で採用されたので、土木職ではなく主事(事務職)として県庁に入ったんですよね。
そんな時期があったんですね!
なぜ鹿児島県庁は、事務職と土木職を一括りに?
鹿児島県庁の土木職って、人数も多く、かなり大きな集団になってるんですよ。
だからこそ、部署を横断できる人材を育てないといけないということで、始まったみたいです。
知事が変わったタイミングで『総合職』の制度自体が終わってしまったので、今は無いんですけどね。
なるほど。
面白いなぁ。
総合職っていう制度があったから、僕は鹿児島市役所じゃなく、鹿児島県庁を選んだんですよ。
土木という枠にとらわれずに働けるんじゃないかと思って。
そこで最初に配属してもらったのが、土木職が配属されない『商工政策課』だったわけです。
なるほど…‼
公務員として生きた5年間があったから
商工政策課での働き方は、上司も業務も含めて、僕の中でドンピシャで。
全てが最高で、楽しく働かせてもらってましたね。
ドンピシャな仕事を経験してしまったが故に、土木職の部署へ異動したことで悩むわけですけど。。笑
ただ、鹿児島県庁で過ごした5年間は、すごくもどかしい5年だったけど、僕の人生において、とても必要な期間だったなって思ってます。
以前2人で話をした時、悩んでた徳田さんの印象が強かったので、今、そうやって言えるぐらい回復して良かったなぁって、感慨深いです。笑
県庁で働いたことを、なぜそう思えていますか?
笑笑
公務員というバックボーンがあったことで繋がれた出会いも多かったので。
『フリーの徳田有星です』って言うのと、『公務員の徳田有星です』っていうのとでは、相手の受け取る印象が全然違いますからね。
たしかに。
公務員の名刺の力は、未だにめちゃくちゃ大きいですよね。
公務員として生きた5年間があったから、リクルートに入社できたと、本気で思ってます。
転職するまでの1年間を振り返る
ここで、転職するまでの最後の1年間を振り返ってほしいのですが。
そうですねぇ。。
転職活動はもちろん、プライベートでも色々あって、ほんとに怒涛の1年でした。
2020年の4月に、鹿児島市の本庁から薩摩川内市にある北薩地域振興局に異動になったんですよ。
北薩地域振興局ではどんな仕事を?
河川港湾課という部署に配属されて、現場が多めな仕事でしたね。
ヘルメットを被って、工事の進捗を管理したりする。
THE土木職な仕事だったわけですね。
ですです。
色々な人と出会えて、良い経験もたくさんさせてもらった反面、自分は本当にこの仕事なんだろうか、このままこの仕事を続けていくべきなのだろうかと、悶々と悩む日々でしたね。
わかります。。
僕も今ヘルメットを被りながら、この仕事なんだろうかと悶々と悩んでます。。
ずっとモヤモヤが抜けないので、ジムで筋トレして、気を紛らわしてましたね。笑
笑笑
ストレス解消法を持っておくことは大切ですよね。
県庁で一番最初に配属された商工政策課での仕事が、徳田さんのやりたいことドンピシャだったからこそ、尚更モヤモヤが深まったのかもですね。
商工政策課にずっと居れるんだったら、僕は県庁辞めてないですね。
そう考えると、やっぱり向き不向きというか、『得意不得意の特性を業務とマッチングさせる仕組み』が行政組織にも必要だよなぁと感じます。
得意で好きな業務があるんだったら、その人がやった方が組織としてはメリット大きいじゃないですか。
みんなが幸せな形だと思うんだけどなぁ。
本当にそうだと思います!
辞める前の1年間の話に戻すと、とにかくずっともがいてましたね。
それこそ、レンタルサーバー契約してブログ立ち上げて記事書いてみたり。
マジですか!笑
自分のスキルを磨くことが大事だと思って、youtubeでひたすらブログの勉強しましたもん。笑
他にもプログラミングかじってみたり。
分かります‼
分かりすぎます‼‼
色々やった結果、自分の中で『県庁を飛び出してチャレンジしてみよう』という思いに至り、転職活動を始めたのが2021年2月です。
2021年の2月⁉
めっちゃ最近‼(このインタビューをしたのが2021年4月)
でも、心が疲弊すると全てが辛くなるじゃないですか?
僕もモヤモヤしすぎて心療内科行ってた時期があるから、少しだけ気持ちはわかるんですけど。。
そうなんです。
「なんで俺だけ。。」とか「何も上手くいかない。。」とか。
全てリセットして、最初からやり直したいと思い続けてました。
なるほど。。
仕事も上手くいかないわ、プライベートもボロボロだわで、散々な状況だったんですけど、それで逆に失うものが無くなったと言いますか。
どん底に落ちたことで、逆にすっきりして。
もうやってやるしかない!と吹っ切れましたね。
上がっていくしかないと。
「自分自身が本気で望むことをやってみよう!」と思い、転職サイトに登録するところからがスタートでしたね。
転職活動のことも考え、2021年1月に薩摩川内市から鹿児島市に引っ越して。
鹿児島市から薩摩川内市の職場に通いながら、勤務時間外の全てを使って、転職活動をしてました。
具体的にどんなことをしました?
職場を早出勤務にしてもらって、早く帰ってきてから求人を見たり、面談したり、エントリーシートを書いたりですね。
薩摩川内市まではJRで通ってたので、早出勤務だと朝5時に起きる感じだったんですけど、そこはがむしゃらに頑張りましたね。笑
まとめー前編ー
1年ぶりに会って話をしたんですけど、晴れやかな笑顔が印象的で。
悩み抜いた結果、県庁を飛び出してチャレンジをするという決断に至った徳田さんの選択に、勇気をもらえる人も多いんじゃないでしょうか。
何を隠そう、僕が一番元気をもらいました!
第1話では、転職活動を始めるまでの生活や葛藤を中心に、お話を伺いました。
次回は、転職活動において失敗したことや、将来の目標について、お届けします!
ではまた次回、お会いしましょう!
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